7月6日の日記

浮舟

苦しい気持ちに押しつぶされそうだ。
7/5~6まで●●の家にいた。今日は二人きりだ。●●の寝顔を思う存分見たけれど、その分抱きしめたい気持ちが増大した。愛しすぎる。眠そうな目も、白い肌も、服の間から見える胸も、柔らかなニノウデも、全てすべてこの手の内に収めたいけれど、それもなかなか難しそうだ。
●●はまだ●●に気を寄せているらしい。しかも、恋をされるのは重いらしい。でも、だるだるした関係なら楽らしい。あ、、何だろう。ハリキればハリキる程、空回りしてしまう。こうなりゃア本当に、●●のそばにいて、ダレるだけの関係であろうか。

胸の空白の圧力が、だんだん上がっていく。
●●を抱きしめられたなら、この空白を埋めることができるだろうか?

確証はない。けれどそうありたい。でも今はまずい。もっともっと余裕のある時でないとだめだ。あと一ヶ月。せめてあとひと月。僕の体よ、いう事を聞いてくれ。切なさに押潰されないでいて。●●の事を忘れられたらいいのに。

…。
あの思わせ振りな態度や仕草、それが女郎蜘蛛であったとしても構わない。●●に一時でも触れていられるなら、どんな罠にでも飛び込んでみせる。
好きだ。それ以外の言葉をどんなに尽くしても、この思いはきっと語れない。好きだ。好きだ。抱きしめたい。抱きしめ、髪をなで、好きだよって囁きたい。
チャンスは幾らでもあった。のに、ニノウデを触ったり、両手を広げたり、指を握ったりする位で最後の一歩が侵せない。この甲斐性なし!いくじなし!言葉なんていいんだよ。抱きしめたらそれでいいんだ。仄の少しだけでいいんだよ。仄の少し、勇気を出せば……。


思い返せばこの時私は、もう蜘蛛の巣に絡めとられ、どうにもできなくなっていた。
●●のことは、狂おしいほど好きで、でも勇気が出ないからその感情を抑えようとして、更に好きだという気持ちを増幅させてしまって、余計に失敗を恐れ、しかし感情は抑えられず…。

臨界点は、近かった。
どんどんと歪な恋心を膨らませ続けた私の進む道の先には、どこまでも続く奈落しかなかった。