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3年越しの読書会📖

2019年8月に始まった月イチの読書会。

その本を買ったのは1994年。
当時は全くわからなかった。
当時も今も難解な本であることには変わりない。

一冊の本を講師と12人の受講生と読んでいく。

ひとりずつ順番に音読していく。
音に出すことで、体にも染み込んでいくような感覚。


その本を翻訳した先生と、他の参加者と一緒に読むことでなんとか少しずつわかってきた気はする。

あと何百回読んでも完全にはわからないだろうとは思う。

途中、コロナが流行り外出できなくなったり、引っ越しを2回もしたり、家族がコロナになったりと色々あった。

そのため、参加できないことも多かった。

先生はかなりのご高齢で、参加者の年代も高め。

夜の講座なので、終わるとみなさんすぐに帰られていた。
なのでほとんど交流できなかったのは残念。

使われている日本語はかなり硬く、「せめてもっと簡素な日本語で書かれていたら…」と思ってしまったときもあった。

2022年10月21日、何ヶ月かぶりにその読書会に参加した。
申し込みを当日までしていなくて、ふと思い立ち連絡。

本を持たずに出かけていたので、一回帰宅しまた出かけることに。

ところが、引っ越しの荷解きがほとんど進んでいなく、本が行方不明に。
家を出なければ間に合わない時刻を過ぎても、本が出てこない…。

こんなに引っ越ししなかったら本を探すこともなかったのに…。
焦りつつ怒りも湧いてくる。
「もうあきらめようかな…。」
そう思ったけど、ベッドの下に大切なものは隠されがちということに気づいた。

イギリスに行くきっかけとなった別の本も、思えば何年かベッドの下にいて、発掘されたことがあった。

ベッドの下を覗いてみる。

「あった…!」

ほっとし、急いで教室に向かう。

10分ほど遅れたが、講座に参加することができた。

行ってみてわかったのだが、行けないでいた間にだいぶ進んでいて、その日が最後の日だった。

行かなかったら、すごく後悔しただろうな…。
もう先生も高齢だし、講座に参加することもないかもしれない。
最後に行けて良かった。

10歳かそのくらいの時に先生の翻訳された本に出会い、イギリスに憧れた。
その十数年後、講座にいくつか参加した。

そして、難しく感じていた本を翻訳した先生と一緒に読むことができたこと。
翻訳されたからこそ理解されていることもあるかと思う。

実に28年越しに本を読んだ。

それを思うとなんだかすごく感慨深い。
講座が終わってしまったのは寂しく悲しいが、先生と奥様から頂いたものに感謝の気持ちしかない。

ありがとうございます。
教えて頂いた知識、優しさ、思慮深さ、ひとつのことを突き詰めていく誠実さなどなど…。

自分なりに噛み砕き、後世に伝えていきます。

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