精神疾患

今、日本の「精神疾患」の罹患数、少し古いが平成29年で400万人だそうだ。

私自身は複数の精神科で勤務していたので、もっと多いように感じていたが、正直意外だった。

ちなみに入院数は29年で30万人。これが「のべ」の統計なのか、どうなのかはちょっと分からない。

このデータでは「過去12カ月以内に診断基準を満たした人」は2.2パーセント。この1年のうちに「抑うつだけで」50人に1人が「抑うつ」と「診断」されている。
生涯有病率になると、7.5%。13人に一人が「抑うつ」と診断された結果になる。

抑うつだけでこの数だ。

ところで、やはり皆さんの中に「精神科にはおかしな人が行く」と思っておられる方がおいでなのだろうか。

そもそも「おかしな」人とは何だろうか。

愉快な人、と言う意味なら確かにおられる。

もしも、何か別の意味を込めておられるのならここで申し上げる。

日本の自殺者は年間3万人に達する。その80%は何らかの精神疾患を有している。

統計の処理内容で数値がバラバラだが、WHOでは90%に達するとの報告もある。

あなたが持つ偏見のため、あなたの身近な人が、精神科に行くことをためらって、その結果自殺したとしたら、

あなたはなんて言うだろうか。

まちがいなく

どうして気付いてやれなかったのだろう。と言うだろう。

あなたが気付くべきなのは、対象者の気持ちではない。

あなたが気付くべきなのは、あなたの心の底にひそんだ「おかしな」認識だ。

抑うつのもっとも危険で、そして典型的な症状は

自殺念慮だ。

いまさら私が何か申し上げる必要はない。抑うつの兆候に関しては嫌になるほどネットに落ちている。

なぐさめる前に、励ます前に

受診させることも愛だと分かってほしい。

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