山ペンギン 26 ばれんたいん?
「冬でも暖かい日が続くわね・・」
主任がうれしげでもなくつぶやく。
無理もない。
コンビニはシーズンに合わせた商品を置く。
肉まん一つでも暖かい日は売れにくい。
となると、オレの部屋は「売れ残り肉まん祭り」になりかねない。
売れないのはおでんも同じなのだが、幸いおでんは売れた分だけ、タネを
足せばいいのでそこまでも困らない。
肉まんも冷凍しておけばいいだけなのだが・・・そういうわけにもいかず、
保温ストッカーにはそこそこの数を入れておかなければならない。
「雪でも降れば・・・」
今来るなよ! 女神!
金の雪ならともかく・・・鉄の・・・
「ごめんください。」
・・・女神が来た・・。
「必要なのは、金の・・」
「エンジェルは、チョコボー○をたくさん買えば出てくるかもしれません!!」
「おもちゃの缶詰欲しいですわね・・・」
アンタ、運命は司れないのか?
「そういえばもうすぐバレンタインね。」
もうすぐじゃない。
「エンドにバレンタイン用の何か置きましょうか。」
チョコ一択だろ。
「イマドくんー、エンドにホット商品メインで何か企画組んでくれない?」
チョコ全部溶けるだろ!
イマドはココアを利用してできるホットチョコの作り方のボードと、チョコフォンデュの作り方のボード、その材料のチョコをいくつかとチョコマシュマロ、オススメ商品としてのチョコまんのPOPを使って、
なぜかまた南半球メインの雰囲気で海をイメージしたエンドを作った。
ちなみにチョコフォンデュのアピールが奏して、材料の板チョコが良く売れた。
ストッカーもココアとホットチョコのドリンクが多めの売上げになっていた。
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