見出し画像

山ペンギン 21 探し物

イマドが部屋をひっくり返している。

何かを探しているのだろう。

「何探してるんだ?」

どうも、大正琴の部品のようだ。
忘れられているとは思うのだが、やつは大正琴でヴィヴァルディを弾く。

「ピックが無くて・・・・」

いや、お前のツメの方がするどいだろう。

「ピックで弾かないと音が違うから。」

「オレのギターのピックじゃだめなのか?」

何を言ってるんだ・・・と言う目で見てくる・・。

確かにオレのピックじゃイマドには合わないか・・。

「今それを弾きたいのか?」

「うん・・。今弾きたいな・・。」

今、誰よりも女神に出てきてほしい。

「あなたが必要なのは金のピック?銀のピック?」

だが、なぜか必要なときには出ない。

「オレ君、イマド君、いる?」

主任!!

「遊びに来ちゃったー。」

また廃棄寸前の商品を持って主任が登場だ。

「あら?大正琴?」

主任?

「ちょっと弾かせて?」

主任は「千本桜」を楽譜なしで・・・

賞味期限が近くなり、固くなったスルメの頭をピック代わりしてに弾き始めた。

多才なのは・・・臨機応変なのは・・・

いいこと・・だな・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?