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接触アプリにさまざまな対策グッズ…ここまでやりました!コロナ禍で初のリアルイベント主催

前回の記事では世界各国・地域のリアルイベントの再開状況、そして中国における対コロナ禍の取り組みをご紹介しました。さていよいよ今回は新型コロナウィルス流行以後初となる私たち自身のイベントについて、一番きをつけた「感染リスクが高い人がいない状況」をつくることを軸に、レポートします。

この度開催したイベント「Brand Summit」は企業のマーケティング・コミュニケーション活動担当者とマーケティング・コミュニケーションに関するソリューションを持つ企業が出会う合宿形式のビジネスカンファレンスで、当初は2020年3月4日から6日に沖縄で開催される予定でしたが新型コロナウィルスの爆発的な流行により延期を余儀なくされていました。

2回の延期、そして会場を沖縄から東京に変更してようやく開催できたのが9月18日と19日。実に半年以上もの延期でした。スポンサー企業、講演登壇者、参加者の皆さんはもとより、会場関係者の皆さんからの多大なるサポートを受けて実現できた今回のイベントについて実施施策と反省を振り返ってみたいと思います。

事前施策で目指したのは「感染リスクが高い人がいない状況」を作ること

事前実施施策①:COCOAのインストール実施
まず全ての参加者及び運営事務局スタッフにアプリ「COCOA」のダウンロードと利用の徹底をお願いしました。精度やアプリとしての使い勝手にはまだまだ課題があると指摘されているものの、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触した可能性を通知してくれる厚労省のスマートフォン向けアプリです。このアプリを頼りに感染予備軍の人がいるリスクを可能な限り減らしました。
これにより「感染リスクが高い人がいない状況」という前提できたので、後述のマウスシールドやパーティの実行にいたれたという背景があります。

事前実施施策②:事務局スタッフの抗体検査
これもまた専門家によって議論がされている抗体検査ですが、イベントに関わる人に最も多く接する運営事務局スタッフについては会期直前に、IgM抗体・IgG抗体検査を実施いたしました。

この2つの施策で、まずはイベントに集まる人の中に感染リスクが高い人がいる可能性が極めて低い状況を作りました。前回の記事で中国の新型コロナウィルス感染リスク証明アプリ「健康码(健康ID、健康コード)」の驚くべき情報管理をご紹介しました。ここまで踏み込んだ個人情報活用は日本ではなかなか真似できませんが、日本でも使えるものについては取り入れた形です。

当日は対策グッズパックを全員に配布

そしていよいよ当日。入場受付時の検温、消毒と同時に事務局特製の「感染対策グッズパック」を配布しました。マウスシールド、除菌シート、ボールペン、油性マジックの4点をジップロックに入れて他の人のものと混ざらないよう参加者に管理をしていただきました。

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対策グッズ①:マウスシールド
私たちのイベントは参加者同士が直接コミュニケーションをして商談やビジネスに繋げる場です。そこでは相手の表情を互いに読み取ることが非常に重要で、すっかり日常生活では定着してしまったマスクはその妨げとなってしまいます。その上、講義形式のプログラムだけでなく、ワークショップ形式のプログラムもあるためイベント中は誰しも発言者となります。そこで飲食店やホテルなどサービス重視の現場で利用されているマウスシールドをお配りしました。

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その他、会場の様子は、#ブラサミ2020 で各種SNSご確認ください。

このように、表情も見えやすく、声もこもらないため参加者同士のコミュニケーションはwithマスクよりもスムーズだったと好評をいただきました。ただし、マウスシールドも万能ではないため参加者の方にはマスクと適宜併用していただきました。

対策グッズ②除菌シート
会場各所には消毒スプレーが設置してあり、会場スタッフが適時消毒作業も行っていますが細かいところまでリアルタイムで消毒し続けるのは困難です。参加者のみなさんが何かを触るその瞬間に綺麗にできるよう、除菌シートもパックに封入しました。

対策グッズ③:ボールペン、油性ペン
普段なら「ちょっと貸して!」と気軽に言える筆記用具もこのご時世ではなかなか貸し借りのハードルが高くなってしまいましたね……。前述の通りワークショップがあるので筆記用具は必須アイテム。感染対策グッズを入れた袋や各配布物にもお名前を書いてもらえるよう今回は油性ペンもセットしました。グッズは旭化成ホームプロダクツの皆さんからご提供いただいたジップロックに入れたので水にも強く袋も除菌シートで拭けてよかったです。

余談ですが、緊急事態宣言の時期にジップロックを利用して無人営業したユニークなカフェがあったらしい!これも旭化成ホームプロダクツさんが許可を出したのだとか(と、Instagram投稿に書いてありました)。

対策グッズ④:個別包装パーティ
ビジネスカンファレンスのお楽しみでもあり、重要な商談の時間でもあるネットワーキングパーティ。コロナだからといって無くしてしまうとイベントの価値が半減してしまうため会場と協議した結果がこちら。

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メニューをひとつひとつパッケージに詰めたオードブル!この下部が黒くて上が透明のパッケージどこかで見たことないですか?和菓子の包装に昔から使われていたケースなんです。練り切りなど華やかなお菓子を引き立てるケースを利用できたことで、今回のパーティも彩り豊かなものとなりました。

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シェフとスタッフによるサーブも万全の体制で。列に並んでいる間は参加者も口元カバーです。

反省点は「縮こまってしまったコミュニケーション」

ここまで対策をして終了したイベントですがやはり反省点はあります。それは何より運営事務局メンバーが新型コロナウィルス感染対策に集中しすぎてしまったこと。関わる人全ての健康を守るため私たち運営事務局にはイベントを安全に実施できるよう準備する義務があります。しかし、今回はウィルス流行後初のイベントだったということもあり、「Brand Summit」の1番の価値であるコミュニケーションが縮こまってしまいました。

以前だったら、受付でのご挨拶はホールに響くような声を出していましたし、ネットワーキングパーティーで参加者同士をお引き合わせする際には少し遠くの方にも「〇〇さ〜ん!」と声をかけていました。それが今回は、ワイワイガヤガヤした受付は不安になる方がいるかもしれない、名刺交換もギリギリまで距離をとったほうがいいかもしれない、とコミュニケーションをとることに躊躇してしまうシーンが目立ちました。私たちの緊張感は参加者の皆さんにも伝わってしまったのではないかと反省しています。

リアルに人と出会える機会が貴重になってしまった今、その価値を最大限に引き出すのが私たちイベント運営事務局のミッションです。今回の反省を活かし、日々変わっていくであろう情勢に合わせながら、「感染対策が徹底されているグリーン・ゾーンを作る!」という気概で今後のイベント開催に取り組んでいきます。次回は10月29日30日開催のad:tech tokyo、規模や参加者は今回以上です。

不安も大きいですが負けない楽しみもあります。どうか、たくさんの方とお会いできますように!

ありがとうございました。

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