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さよならGoodbye#22

第22章 有島洋子からの電話

あの日から、そう由美さんと一夜をともにしたあの日から彼は、仕事も手につかない状態で
寝ても覚めても由美さんの事を考えていた。
そんな彼に突然、不幸が訪れる。それは有島洋子からの電話だった。

プルルルル  プルルルル

「はい、トリップワン 田島です。」
「おい、田島晃!」有島洋子だった・・・
「あっ・・・いつもお世話になっております。」彼は仕事の電話を装って返答する・・
「なんかお前だけ幸せそうだな?二股か?」
「はい、伊藤は今、外出しております。戻りましたら電話をさせますので・・」
 
 そう言って電話を切ろうとする彼・・・
「何言ってんだよ!お前も二股の女も三人とも階段から突き落としてやるからな・・・」
「そ・それでは失礼いたします。」

ガチャ切りをする彼・・・・不穏な空気を感じたのか、吉森課長が彼に声をかける

「田島君!顔が真っ青だよ!大丈夫なの?」
「す・すみません。気分が悪いので・・・今日はもう・・・退社させていただきます。」
「えっ・・本当に大丈夫なの?病院行った方が良いよ!」
「ありがとうございます。いったん、家に帰ってから考えます・・・」

やばいぞ・・・やばいぞ・・・あいつ警察に捕まったと思ってた・・・
なんだよ・・・捕まらなったのか?・・・釈放されたのか?・・・
とにかく、あいつなら何をやらかすか分からないぞ、本当に階段から突き落とすくらいは
平気でやりそうだ!

ぶつぶつ 独り言を地下鉄の中で繰り返す彼に周りの乗客は危ない奴だと感じたのか?
彼から距離を置くように遠ざかって行った。

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