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【おうちで台湾ごはん】vol.1:私が必ず台湾で買ってくる調味料&食材ベスト10

よく台湾の味が恋しくなるけど、私は日本の台湾料理店には詳しくない。外食しまくれる経済力がないことが最大の理由で、結果、簡単なものは自分で作る方針になったのだ。

レシピはいつも台湾のもの(中国語)を見ている。台湾のレシピ本も結構な数持っているが、ネットで「料理名や食材名+食譜(レシピの意)」で検索すれば「台湾版CookPad」や「愛料理」、「楊桃美食網」などのレシピサイト、YouTubeの料理動画など色々出てくる。

短期語学留学から帰国後、台湾の味が懐かしくなって色々試したが、
台湾の味を再現したければ、調味料で妥協してはいけない。
と気がつくのにそう時間はかからなかった。

なので最近は、訪台の度に在庫補充の買い物をするのが習慣になった。輸入品として日本でも入手可能なものもあるが、現地価格を知っていると・・・。どうせ数ヶ月おきに行ってるんだから普通に現地で買えばいいや。

■家で台湾の味を作るために、絶対買っておいた方がいい(と思う)台湾の調味料と食材ベスト10

【1】醤油(黒豆醤油)

筆頭に挙げたいのは醤油。日本の醤油は大豆が原料で、台湾のものより塩辛い。台湾の醤油は多くが黒豆からできており、塩分が少なく甘みがある。
日本語の台湾料理レシピも増えてきたが、うっかり日本の醤油を使ったが最後、台湾の味ではなくなってしまうくらい重要なアイテム。

南部産のものでは「醬油」ではなく「蔭油」と表示されることが多い。台湾の醤油の名産地・雲林県の西螺一帯には歴史ある有名醤油メーカーが複数あり、それぞれに愛用者がいる。私は「瑞春」を好んで使う。
▼台湾の黒豆醤油について私が書いた記事はこちら。

【2】醤油膏

私は「台湾とろみ醤油」と呼んでいる醤油加工品。(「膏」はどろっとしたものを表す。)日本の中濃ソースに近いくらいの甘みがあるが、醤油からできている。台湾ではどこでも見かけるといっていい調味料で、これが切れると非常に困る。本気で困る。
(下の写真は今家にあるもの。左から2本は醤油、一番右が醤油膏。)

醤油

【3】料理米酒

薬膳スープを作ることが多い私には欠かせない調味料。日本の清酒よりも辛みが強く、焼酎に近い。アルコール度数も19.5度と高い。これも、代用した瞬間に台湾の味ではなくなってしまう重要アイテム。

風味豊かな薬膳スープを作るために1つの鍋に丸々1本(600ml)使ったりするので、毎回訪台する度にこつこつ補充している。ガラス瓶入りのものが多いが、一種類だけ持ち帰りやすいペットボトル入りのものがあるので、私はいつもそれを買っている。1本わずか100円程度という驚異のコスパ(そして輸入品は値段が4倍になる)。

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【4】干しエビ

サクラエビではない、小さいエビを干したもの。焼きビーフンなど色々なもので使う。日本の普通のスーパーでも見かけるようになったが、一袋が驚くほど小さく(そして高い)、中国産がほとんど。台湾産のいい干しエビは本当に香りが良く、いい旨味が出る。現地なら相当お買い得だ。

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【5】香蔥油

エシャロットをラードで揚げて、ラードごと容器に詰めたもの。
客家の調味料なので、客家の街に行かないと台湾でも意外と手に入らない。台北から近いところなら新北市の三峽とか、桃園・新竹・苗栗などの客家の街で手作りされたものが売っている。(大量生産された缶詰タイプもあるが、簡単なラベルしか貼っていないような手作り品が断然おいしいと個人的には思う。)

香蔥油

今使っているのは新竹・北埔で擂茶(レイチャ)の取材をした後「香蔥油を買って帰ろうと思ってるんですよ~」と言ったら、取材先の人が「それならうちの近所の香蔥油作りの達人が手作りしたのをひとつあげるわ!」と分けてくださったもの。
▼擂茶(レイチャ)について私が書いた記事はこちら。

同じタイプだと、ガチョウ脂で作った「LE PONT—黃金鵝油香蔥」なら台北などでも買いやすい。ラードのものより軽くさっぱりしている。これは台湾の料理研究家である友人のおすすめ。(画像出典URL:https://lepont1999.waca.ec/product/detail/40159 LE PONT公式サイト)

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スープや炒め物などいろいろ使えるが、鶏ガラスープの素で作った卵雑炊の最後にちょっと入れるとおいしいことを発見した(台湾料理ではない)。

なお、揚げたエシャロットだけの「蔥油酥」(乾燥している)とは別のもの。これも、あるとないとでは大違いの仕上がりになる。

【6】麵線(白・紅)

日本人に大人気の小吃・麺線(めんせん)の乾麺。台湾の麺類は種類豊富なので買いたい麺は色々あるが、最も外せないものが麺線だ。

白と紅があり、スーパーに多くあるのは白い方。日本のそうめんにそっくりに見えるが、台湾の麺線の方がそうめんよりわずかに太く、コシが強くて伸びにくい。私は薬膳スープに加えたり、汁なしで食べたりすることが多い。沖縄のソーミンチャンプルーのように炒めてもブチブチちぎれたりしない。
スーパーにはたくさん種類があるが、色々試した結果私の定番になったのはこれ。(あと3把しかない・・・。)

馬家麺線

一方、日本人観光客に人気の、カツオ風味のとろみスープで煮た小吃「麺線」の材料は「紅麺線」で、白麺線を蒸したもの。長時間煮込んでも煮崩れないコシがある。
▼白と紅の麺線は一見して違いがわかる。上が紅麺線。

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屋台麺線

乾麺は日持ちもするし、種類も豊富でそれぞれがおいしいのでつい買い込んでしまうが、意外に重いので荷物の重量オーバーに注意が必要。

【7】湯包(中薬包)

薬膳スープ用の漢方素材の詰め合わせ。「藥燉排骨湯」「燒酒雞」「十全排骨湯」「四神湯」など各種スープが、水と食材(排骨=パイコーなど)を加えるだけで簡単に作れる(というか、これがないと作れない)。

中薬包

台北なら迪化街でたくさん売っているし、スーパーにも定番の薬膳スープ用セットは置いてある。このパックに入っている漢方素材の一部は、日本では薬事法の管理下にあり、日本では同じような商品を簡単に買うことはまずできない。

スーパーや市場などでも買えるが、私はなじみの中薬店(漢方薬店)で買うことが多い。食材ではなく「薬品」として材料を扱っている中薬店のものは、素材の品質が段違いだからだ。

▼迪化街について私が書いた記事はこちら。

【8】ゴマ油(特に黒ゴマ油)

台湾の普通のゴマ油(麻油)は「香油」と呼ばれるが、日本よりもだいぶ色が濃く、風味も強い。さらに深く焙煎した「黒麻油」は日本にないので、台湾で必ず買うもののひとつ。冬に「黒麻油」がないと、がっつり体を温めてくれるスープ「麻油鶏(マーヨージー)」が作れなくなり、非常に困る。
▼黒ゴマ油について私が書いた記事はこちら。

▼麻油鶏(マーヨージー)について私が書いた記事はこちら。

【9】馬告(マーガオ)

原住民のハーブ「馬告」は、見た目は黒胡椒そっくり、香りはレモングラスのような香辛料。原住民料理では蒸し魚やローストポークなどによく使われる。

昔は原住民の住んでいる街(台北から一番近いところだと烏来とか)に行かないと買えなかったが、自然派おしゃれスーパーの「神農生活」に置いてあるのをこの前見つけた。干して乾燥させたものは黒胡椒そっくりだが、現地では緑色の生の実も使う。

馬告

そもそも日本ではほとんど知られていない香辛料なので、日本の中華食材スーパーなどにもまず置いていない。ただ、最近日本にも「馬告.jp」という専門のネットショップができたようだ。

【10】米粉(ビーフン)

台湾の定番家庭料理「炒米粉(焼きビーフン)」は、残り野菜を片付けるのにとても便利なメニュー。私にとっての「おいしい焼きビーフン」の記憶は、ほとんどが台湾人の友達の家で食べた「家庭の味」だ。驚くことに、台湾の焼きビーフンは時間が経ってもコシが失われず、冷めた後でもべちゃべちゃにならずおいしい。

新竹米粉

台湾の店には非常に多くの種類のビーフンが売られているが、メーカーによって味の差が激しい。中国語の「米粉」という名の通り米が原料なのだが、粘度が低いため麺の形に成型するのがとても難しい。「つなぎ」にトウモロコシのデンプン粉が使われることがあり、米粉の含有量は商品によってまちまちだ(少ないものだと米粉が5%しか入っていないものもある)。食感や味も当然違う。

2014年に施行された食品表示法で、米粉含有量が50%以上のものだけが「米粉(ビーフン)」と表示できるようになった。米粉100%のものは「純米粉」と表示することが許され、他の添加物がある場合は「米粉」または「調整米粉」、米粉50%以下のものは「炊粉」「水粉」などと表示するように決まっている。

台湾の有名なビーフンといえば「新竹米粉」だが、これは「讃岐うどん」とか「三輪そうめん」のようなもので、特定のメーカーの商品名ではない。ビーフンに関しては毎回違うものを買っては、当たり外れを楽しんでいる感じだ。(「炊粉」は確かにあまりおいしくない気がするので避けている。)

そんな訳で、少なくともこの10アイテムは、私の自宅に常備されている。ほかに、
・時々買っておくもの
・日本のものでも代用可能だが、厳密には違うもの
・日本にもあるが、台湾のものの方がお気に入りのもの
などが台所にある。これらについては後でまたぼちぼち書くかも。

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