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10年社長をやってこれた5つのヒケツメモ

「今年からnoteを書いてみよう!」と、経営者仲間との年末旅行で約束したので、ひとまずは軽くメモ的に書いてみようと思う。

今年の3月で、社長に就任して丸10年になる。
(当社のサービスである「Saas型eコマースプラットフォームfutureshop」のリリースは2003年11月なので、サービスの歴史は16年。2010年にサービス運営部署ごと分社し、私が代表に就任。)

10年経ったか...とあらためて思うと、結構長くやっているなという気もするし、まだそんなもんかという気もする。が、そのヒケツをメモしておく。

1.「何もしなければ会社はなくなる。」と毎日思う。

当社のSlackチャンネル数はハンパなく多い。
情報が流れていくスピードも恐ろしく速く、スマホの通知をタップして確認したメッセージを、たった10分後に見直そうとしただけで「ど、どこのチャンネルだったかな...(汗)」となる。
にもかかわらず、後々大きなトラブルになりそうな情報や、自社が不利益を蒙りそうな情報にだけは、ピタッと目が止まる。
逆にチャンス!が潜んでいそうな情報にも、ピタッとリーチできる。
自分でも不思議だなとは思うけれど、結局のところ常に脳内にある「何もしなければ会社はなくなる。」という無意識レベルにある危機感がそうさせるのではないかと思う。
私の場合、たとえその時に問題が起きていなくても、なんとなく気持ちがざわつく場合は現場の迷惑を顧みず、遠慮なく掘り下げまくる。
経営者の勘は、あたる。

2.「朝令暮改」を厭わない。

プロダクトの仕様や優先順位、アライアンスプロジェクトから組織に関することまで、多岐にわたる意思決定を日々行うが、
「やっぱり、これじゃ駄目だ!」
と思ったときはたとえ「さっき言ってたこととちがう!」と非難されたとしても、あっさり朝令暮改を実行する。
自分が死ぬほど考えて出した結論だったとしても、その後入ってきた情報で考えが急旋回することもしばしばある。逆にそのくらいのスピード感を持たないとサービスを16年も継続できない。
当社の場合、2月に発表した来期開発計画をあっさり4月にガラガラポン!っと変更するなんてことは何年も続けて起きている。
とはいえ、「あ、まただ...^^;;」ぐらいの反応でフレキシブルに対応してくれる能力の高いメンバーに恵まれているからできることでもある。妥協しないことに慣れた組織なら、ほぼ非難されることはない。

3.カルチャーがあわない会社や人とは仕事をしない。

たとえば、ひとりの営業マンに会うだけで、会社のカルチャーをものすごく感じとることができるもの。
ある程度の許容範囲は持っているつもりだが、「これは絶対に合わない」と思う会社や人とは、いくらいいお話(に見えても)でもお断りする。
たとえば、「お互いWinWinだと思うのです。」といいながらプレゼンしてくる提案はかなりの確率で、ろくなものはない。
お互いがWinWinになるためだけに、仕事しているのだろうか?

4.落ち込むスピードも速く、浮上するスピードも爆速で。

1にも通じるが、常に、いちばん最悪の事態を想像している。
(「思考は現実になる」ということをよく言われるので、悪しき習慣なのかもしれない。)
常日頃から脳が「最悪の事態モード」なっているため、ちょっとしたネガティブ情報に対してものすごいスピードで落ち込む。
しかしその回数が多いので、復旧処理速度もどんどん速くなっており、しかも深く落ち込んで沈みきった底が深ければ深いほど、深いプールの底を蹴ったときのようにものすごいスピードで浮上できるようになった。
沈んだときの耐久性もどんどん高くなっている。
筋トレのようなもので、繰り返すことで強くなる。
ペシミストでいることによるネガティブ情報感度の高さは、経営者にとって絶対に必要だと思うし、そこに向き合うメンタルはなくてはならないものだと思う。
それこそが、経営トップとそれ以外の違いなのだと思う。

5.「効率」をそれほど好まない。

もちろん、効率的に仕事をしたり、効率的に利益を生むことは重要だ。
しかしそんなことは基本的な教育を受けてきた社会人ならある程度誰だってできるし、このご時世「効率化」のちょっとした程度の良し悪しでどれほどの業績にかかわるのだろうか。
「効率、効率」とうるさく言う人ほど、「どこから紐解いていいのかもわからない複雑ないくつもの原因の枝葉で覆われているような課題」には取り組むことができなかったりする。(思考が効率的すぎて深く思考できないんだろうか)
重要なことは「効率」ではなく、いかに正しく課題の本質を掴めるように努力をしているか、であって、そのためには非効率で面倒なことも辞さないハートだと思っている。
細かい「効率化」で出す利益を、経営者が絶対正義のように推奨すると、その会社では浅い思考の効率マンが「仕事ができる人」になってしまう。

**まとめ.

重要なことはうまくやることではなく、挑戦するプロセスを楽しめるかどうか。**

10年もやっていれば、当然ながらうまくいくときもあれば、そうでないときもあった。ビジネス環境だってどんどん変わっていく。
でも、うまくいかないことなんて、たいしたことではないと思うし、ビジネス環境が変わることなんて、あたりまえであって、ビビることでもない。
自分は何のためにこの事業をやっているのか、何がしたいのか?
それが明確で、それにコミットしているならば、うまくいかないことや、環境が変わることを憂うヒマなどはなく、ひたすらその課題にチャレンジし続けることができるはず。
そのプロセスを楽しめる自分を、しっかりと醸成することこそが重要だと思うし、それこそが、覚悟と勇気なんだと思う。
それにしても、仲間とともにチャレンジするプロセスを一緒に楽しめるなんて、最高の人生だと思う。



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