朝起きたら、涙が止まらなかった
彼女は急に不安になった。復職へのカウントダウン。
元気になったと思っていたのは、思い込みなのかもしれない。仕事のことを考えなくて良い環境だから、今は笑えるようになっただけかもしれない。
朝起きたら涙が止まらない
自分でも感情がコントロールできない。会社には行かなければいけない。だけど起き上がれない。涙が止まらない。泣き叫びたくなる。もうわけがわからない。
旦那さんが言った。
病院行った方が良いと思う
彼女の頭の中には、色々な周りの声が迫っていた
挑戦から逃げた人
心が弱い人
あの人甘えだよね
休職は、人生の終わり
そんなことまで頭をよぎっていただろう。
頑張って欲しいって思っていたけど、無理はしないで欲しい。
そんなに泣いている姿は見たくないから。
今思うと、勝手に自分が想像していた周りの期待に応えなきゃと、踏ん張っていたのかもしれない。
大きな会社からベンチャー企業への「挑戦」
前職時代の仲間に「かっこいい姿」を見せたい
「圧倒的に成長します」って宣言したからこそ、成長する姿・イキイキ働いている姿を見せることが、その人への恩返しだって思った。
だから、成長していない自分、イキイキ働けていない自分は
"存在価値なし"
まで思い詰めていたのかもしれない。
成長していない自分というのも、勝手に彼女なりの基準で判断していた。
思い込みが激しいのが彼女の特徴だ。「これだ!」と思ったら突っ走れる強さはあるが、冷静さを失い「これができてないんだ…なんでできてないんだ…」という頭の中に陥ると、思考停止状態になっている。
今なら、「これができていない」と思ったら、それを認めて、できるようにするためにはどうすれば良いかを考えられる気がする。
どういうステップで身につけていくかというスモールステップで始めれば良いということも理解できてきた。
だけど、当時の彼女には、そういう考えができなかった。
あまり寝れていなかった。
コンビニご飯ばかり食べていた。
何をやるにも、スマートフォンから一生懸命、情報を取得しようと必死になって、周りが見えていなかった。
感受性が豊かなんですね
言われて初めて彼女は気づいた。
いろんな情報を真に受けすぎて受け止めすぎて考えすぎてしまう。
情報のシャワーを全身で浴びすぎて、できていない自分との差に打ちのめされ、ひたすらに疲弊していた。勝手に。
睡眠と、きちんとした食事と、自分が落ち着ける環境の整備と、自分と向き合う時間があれば、少しのストレスにも立ち向かえるはず。
起き上がれない経験や、起きたら勝手に涙が止まらない経験はもう繰り返したくない。
だから自分の心の状態との対話時間をしっかり取りながら、一歩ずつ進んでいこうと彼女は心に決めた。
そんなに完璧な人間なんていないのだから。
あのとき、休職して良かった
そんな風に心から笑える日が、いつか来ると良いな...と願いながら。
Photo by Kaori
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続編
休職から復職への心境の変化を小説風に綴っています。マガジンでまとめていますので、ご興味ある方は是非。
〜 シーズン1 / 休職中 〜
〜 シーズン2 / 復職編〜
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思いのほか、読んでいただけたりスキボタンを押していただいているので…。(ありがとうございます、嬉しいです!)
同じように、少し無理しちゃっている人がいたら、ぜひいろんな人のnoteにいろんな言葉が綴ってあるので、読んで心を楽にしていただければと思います。
今はオンラインカウンセリングのサービスなどもあります。
一度ぽきっとなると、回復に時間がかかるって聞いているので、少しでも苦しい想いをする人が減れば良いなと思って...
個人的に励まされた方々のnoteを貼っておきます。
情報を全て受け止めすぎちゃうかたは、こちらのnoteも良かったです。
あと、「人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていくメディア」soarさんにも、素敵な記事がたくさんまとまっていて、「あっ、同じように悩むんでいるのは、私だけじゃないんだ」って励まされました。
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