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「売れる人、売れない人⑧」

家具屋にいたとき、
仲良くしていた女の子がいました。

名前を仮に石川さんとしておきましょう。

年は20代前半、
いつもキャラキャラ笑っているような子でした。

明るくておしゃれが好きで
「昨日、部屋の壁紙張り替えたんよー」などと
ケロッとして言うような女の子でした。

人懐っこくて
いつも一緒に暮らしている
彼氏の悩みを話しているような
普通の女の子です。

いかにも仕事できる風な外見、
素振りの女の子では
決してありませんでした。

この石川さんが
ものすごく売る子だったのです。

週末、夜7時に
売り上げ報告の電話を本店にすると
石川さんの声はがらがらに枯れていました。
(石川さんは本店勤務でした)

大声を張り上げて
呼び込みしたわけではありません。

石川さん担当の接客が
あまりに多すぎて
普通に話していても
声が枯れてしまうのです。

石川さんには
打てば響くような才気がありました。
家具だけでなく雑貨についても詳しく
接客の武装レベルが非常に高かった人です。

けれども、そういうこと以前に
売れない販売員と石川さんとの間には
決定的な違いがありました。

例えば。

私が売り場にいるとします。
お客様がドア開けて
店内に入って来られました。

「いらっしゃいませ~」。

そう言いつつも、
私の頭をよぎるのは

「このお客様は買う気があるだろうか」

という不安です。
そして、その疑問文に続く言葉はこうです。

「どうせ冷やかしだろう」

これ、売れない人の
典型的な思考パターンです。

かたや、石川さんは
どう思って売り場に立っていたのでしょうか。

やはりドアを開いて
お客様がご来店されました。

カウンターに立つ石川さんと
お客様の目が合いました。
石川さんはニッコリ笑顔になります。
この時、石川さんの頭に浮かぶ言葉は

「目と目があったら見込み♪」

です。

そう、
売れる人と売れない人の決定的な違いは

「売れる」と思っているか、
「売れない」と思っているか。

まさにその一点にかかっているんです。

販売においては
売れると信じている人間は
売ることができるし、
こんな高いもの、
売れないだろうと思っている人間は
売れないのです。

お店に入って来た人を

「どうせ、ちょっと見に来ただけだろう」

と思う人間と、

「何らかの興味がなかったら
そもそも店に入らないだろう」

と思う人間とでは、
既にスタートからして違うのです。
そしてこの差はとてつもなく大きい

本気で売れると信じている。

しかも、それは
強制されて思うのではなく
ごく自然に思っている。

そういう人間は売るのですよ。

ー  続く  ー

* 続きはこちらから ♪
「売れる人、売れない人⑨」

* 前のお話はこちらから ♪
「売れる人、売れない人⑦」
「売れる人、売れない人⑥」
「売れる人、売れない人⑤」
「売れる人、売れない人④」
「売れる人、売れない人③」
「売れる人、売れない人②」
「売れる人、売れない人①」



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