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精神障害雇用で、社内のハードルをいかにクリアするか

障害者雇用を進めたいと思っているものの、社内の中で精神障害の受け入れが難しいと感じている会社は少なくありません。

とはいえ、採用をかけると、精神障害の方の応募が圧倒的に多くなります。

このような状況に、社内のハードルをいかにクリアしていけばよいのかについて考えていきます。

障害者雇用マーケットは、精神障害が多い

障害者は、身体障害、知的障害、精神障害の3つに区分されています。

これらの障害者数の推計によると、身体障害者は436万人、知的障害者は108万2千人、精神障害者は392万4千人となっています。

精神障害者の数は、年々増加傾向にあります。特に「うつ病」や「双極性障害」といった「気分障害」の患者数が増えていて、その原因は、労働環境の変化や、人間関係、生活不安などによるストレス増加と考えられています。

厚生労働省の調査では、障害者雇用は、これまで順調に雇用人数を増やしてきました。この10年間の推移をみてもそれがよくわかります。平成21年と令和元年のハローワークにおける職業紹介状況を比較してみると、就職の全数は全体としては2.3倍ほどになっています。

障害別の割合を見ると、2018年から雇用義務となった精神障害者伸び率がとても高くなっています。その割合は、約4.5倍となっており、職業紹介のうちの半数を精神障害者が占めています。

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出典:労働政策審議会障害者雇用分科会(厚生労働省)

ですから、まずは、精神障害者が多いということを社内に周知し、受け入れる体制づくりをすることが必要です。

では、精神障害者を雇用するときに、どのような準備ができるのでしょうか。企業として行っておきたい3つの点について、説明していきます。

精神障害者雇用をしている企業の事例を知る

精神障害者を雇用している企業でどのような配慮を行っているのかを調べて、取り入れられそうなことがあれば、実践してみましょう。

もし、可能であれば、実際に精神障害者を雇用している企業の見学を行うと、自社における精神障害者の働くイメージをより明確に持つことができます。見学に行けないときには、精神障害の雇用事例が多く公開されていますので、その雇用事例を参考にすることもできます。

面接や企業実習を行ない、本人の状況を把握する

面接や企業実習を行って、本人の状況をよく把握することも大事です。

企業実習を行なうと、応募者が面接だけではアピールできなかった点が見えることがよくあります。また、面接では応対がよかったとしても、それが必ずしも仕事ができる人ということではありません。

それでも、ある一定の期間、実習を行うことによって、仕事が遂行できそうかどうか、また、体力的、精神的な面も含めて、職場や仕事内容が合っているのかなどを確認することができます。

社内研修を行い、社員の受け入れ体制をつくる

一緒に働く職場の社員の方も、どのように接したらよいのかと不安を感じていることが少なくありません。特に、精神障害は、障害が目には見えないため、周囲の人がその症状や、特性を理解しづらいことがあります。

そこで、事前に社内研修などを行い、一緒に働く職場の方に、精神障害の特徴や配慮について理解してもらうことや、本人の特性などを伝えることで、心配や不安を軽減できるかもしれません。

ただし、気をつけていただきたい点があります。それは、当事者本人の特性などについて扱う場合には、事前にご本人の了承を得て、誰に何を伝えるのかを確認しておくようにしてください。

精神障害の当事者の中には、周囲に自分の特性や症状を説明することが難しく感じることもありますので、どのような形で周囲の理解を得られるようにしたいのかなども含め、当事者、就労支援機関などがある場合には、そのスタッフの方と相談することをおすすめします。

精神障害の雇用は難しいと言われてきましたが、現在、多くの企業で精神障害の方の雇用が進んでおり、その事例も増えてきています。確かにはじめて取り組むことには、不安も多いと思いますが、しっかり備えをしておくことや、事前にどのようなことが起きそうかを想定しておくことができれば、十分に対応することができます。


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無料相談を受けられた方からのご感想

「業務の切り出しができ、採用のイメージがわいた」
すでに身体、知的障害者を雇用しているが、雇用率が不足しており、さらに障害者雇用が必要な状況になっている。ただ、雇用している知的障害者の対応に苦慮しており、どのように進めてよいか、悩んでいた。相談したことで、業務の切り出しのイメージがわき、仕事の確保ができそうだと感じた。また、既に働いている従業員へのフォローの話は、すごくためになった。

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