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特別支援学校と企業のキャリア教育連携に思うこと

知的障害の子どもたちが働く特別支援学校では、
卒業後の就職を目指して、企業実習に行く機会があります。

これは、子どもたちにとっては、
企業で働くとはどのようなことなのかを
実践で学べる機会にもなりますし、
企業にとっても実際に働く姿をみることによって、
面接や書類だけではわからないこともわかることがあります。

だから、このような取り組みは、とても意義があることだと思います。


知的障害がある生徒が通う東京都立港特別支援学校(港区)が、ソニーなどの大手企業やユニクロの店舗などと協力し、キャリア教育に取り組んでいる。生徒たちは職場体験や社員との交流によって卒業後の働き方を学び、企業側も障害への理解を深める機会になっている。

出所:東京)特別支援学校と大手企業のキャリア教育連携広がる(朝日新聞 2019年12月24日)


しかし、近年、障害者雇用をする企業が増えてきていて、
働ける障害者の取り合いが生じているのも事実です。

今までは、大手企業での採用は選ぶ側でしたが、
大手企業でさえも選ばれる側になりつつあります。

このような学校と企業のキャリア教育の連携は、
青田買いや、保護者や教員がすすめる企業に就職するように
誘導されてしまうきっかけにならないか・・・
と感じてしまうこともあります。

誰もが働きたくなってしまう場所にオフィスがある会社に
都内の就職率が高い特別支援学校から就職した生徒がいました。
実習をして、会社からも評価が高くて入社したはずなのに、
わずか3ヶ月ほどで退職してしまうことになりました。

退職してしまったその理由は、
本人が思っていた仕事と違うということでした。

その時は、企業側からの相談を受けていて、
本人から話を聞くことができなかったので、
本当の理由はわかりません。

でも、経緯を聞いたりして、いろいろ推測すると、
本人が、家族の期待を受け、先生から勧められて就職したものの、
やはり思っていたのとは違うと感じたのではないかなと思います。

もちろん、その企業で働くことが合っている人も
たくさんいると思いますが、
やはり大事なのは本人の気持ちです。

周りが大企業だから、有名な会社だから、
福利厚生が充実しているから・・・と
この不安定な時代に勧めたくなってしまうのも十分わかるのですが、
本当に本人が働きたいと思っているのかを確認するのは、
もっと大事だと思います。

私も周囲に勧められて、
自分の意思と違った選択をしてしまったことがありますが、
それは自分にとっても辛いですし、何よりも長続きしません。
時には、周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。

キャリア教育、とっても大事ですが、
安易に一般的な評価で判断するのではなく、
本人が考える機会を与えることはもっと大事だと思っています。

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障害者雇用アドバイザーとして、障害者雇用の研修、コンサルティング等に関わる。Amazon電子書籍で労働政策、人事・労務部門で1位を獲得。Podcast「障害者雇用相談室」を配信中。障害者雇用のコンサルティングとともに、プロデューサー、編集者としても活動中。
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