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「1人じゃ書けないことを2人で書く」共著で本を書くときに大切な4つのこと

最近、zoomオンライン革命!出現する参加型社会の著者の田原さんと本をオンラインボードのmiroについての本を一緒に書いています。田原さんとは国際ファシリテーターズ協会日本支部の理事仲間で、最近いくつかのプロジェクトでご一緒させていただいているのですが、縁あって一緒に出版を目指すことにしました。


大きな声で言えないのですが、実は私、、、これまでの人生で出版に声をかけられたことは3回ありまして、、どれもうまくいってないっていう、、、(正確には3回目のものは水面下進行中ではあるのですが) かなり恥ずかしい経験があったりします。共著も1度失敗しているのですが、「1度失敗してるからってやらない理由にはならないよな」と、あっさり再挑戦しているのが今。

田原さんのおかげで始めてから今に至るまで、特にトラブルもなく、むしろすごく良いプロセスで進めることができています。まだ本、出版されていないですし、なんなら書き上がってもいないのですが、、、なんとなく忘れないうちに心地よく進められた理由みたいなものを言語化しておきたくなりました。

題して「共著で本を書くときに大切な4つのこと」です。事前にこんなことを話し合えていると進めやすい、こんな風に進めるといいよということを書いていきたいと思います。


1. なぜ出版を目指すのかがそろっている

まず、なんと言ってもなぜ出版という手段を目指すのかが共著の2人でそろっていること。自分の知見をまとめたいとか、有名になりたいとか、なんでも良いのですが、これがそろっていないと進めていく中で、何かの選択を求められたときに、統一できない恐れがあります。

今回、私が出版を目指してみようかなと思った理由は

・自分が考えているmiroの実践知をもっと二人で深めてみたいと思った+それは社会的に価値がありそうなので、これまでよりも広く「伝える」に力を入れても良いなと思った。
・書く時の得意分野が違いそうなので、相乗効果が出せると思った。
・自分を知ってもらえる手段を増やしたい。

というところ。田原さんは既に10冊くらい出版されているので、もっと私よりも実感値を持っているのですが、聞いてみたところ

・本を出すことで出会いが広がるから
・お互いのコミュニティの交流ができるから
・読者とつながって、この先のプロジェクトが生まれてくるから

ということをおっしゃっていました。ちなみに私たちは読者とつながりたい、ということと自分たちの伝えたい言葉を届けたいという点において気持ちが大きいので、クラウドファンディングで完全な商業出版とは異なる形式での出版を目指しています。  ( *商業出版は、当たり前ですが売れなければいけないので、著者が書きたいことが必ずしもそのまま本に載るわけではなく、大きく編集されることもあるのが普通です。)

一方、クラウドファンディングだと初版の印税はゼロなのと、販売努力もある程度自分たちで頑張る必要があるため、出版の目的が自分の名前・活動を広く知ってもらいたいとか、印税をきちんともらいたい場合は向いていない方法になってしまいます。よって、そもそもなぜお互いに出版という手段をとりたいのか、何を優先して、どんな方法で出版するのかは最初に話し合っておくのが良いでしょう。


2. 共著の意味合いがそろっている

「じゃあ出版を目指してがんばりましょう!」となったら、次に話しておくべきことは共著についての考え方、捉え方です。「共創をどんな風に捉えているか」と言い換えても良いかもしれません。

ここは、元々お互いの発信内容を見聞きしていたからか、あまり言語化せずともすんなりいったのですが、先日改めて話をしてみました。私たちにとってはAの人、Bの人がいろいろ話したり、実践を重ねてCを見つけて分け合うという形式が共創だと捉えていて、それを共著という形式に持ちこんでいます。

なので、原稿を描き始める前に1~2ヶ月毎週ミーティングをして、お互いが「こんな風にオンラインボードを使って、こんなことに気づいた」というような実践を共有し合う時間を作ったり、「誰にどんなことを伝えたいか」「何に私たちは価値をおいているのか」「本を出した結果、自分や社会がどうあって欲しいのか」ということを行ったりきたりしながら話し合いました。

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最近は共著の本も増えてきていますが、共著と言ってもAの人が原稿を提出し、Bの人が原稿を提出する、というように分担して自分の原稿を提出するという場合もあります。 

・提供価値や構成から共創して作っていく
・編集者がいて、任されたところを分担して書いていく

どちらで進めるのが正解、不正解という話ではないのですが、お互いの「共著とはこう進めるもの」という認識の理解がないまま進めると、これまた進めていく中でうまくいかなくなります。(過去に共著にトライしようとしたときには、ここの認識がうまく擦りあっていなかったのもうまくいかなかった原因の1つだったと思っています。)

ちなみに私たちは構成と章立てまでを2人で一緒に作り上げ、何となく各章の内容をゆるく話し合い、内容によってより得意そうな方がメインで担当して文章を書いていっています。

3. 完璧がないことをお互い理解している(不完全さを受容できる)

文章を書き始めることができたなら、次の壁が「どこを完成とするか」です。本やブログを書いたことがある人なら分かると思いますが、どんな内容であっても時間の経過とともに古くなってしまいますし、著者である私たちも考えが変わっていってしまうこともあります。

それでも、自分たちがこの時点では「こんな風に実践し、こんな風に考え、それは社会的にこんな価値があるのではないか」と投げかけることに価値を見出せる人が、出版をしているわけですが、これを「完璧を求めすぎる」といつまでたっても完成と判断することができなくなります。

この「完成とするライン」の感覚が共著の場合、お互いにずれていないことが大切かなと感じています。というのもこれまた以前に失敗したときには、私は「巧遅は拙速に如かず」派なのに対して、相手は変化していく自分の考えが完璧になるまで何度も何度も書き直して一向に進まないという状況だったので、正直、この辺りも感覚があっている or 最初に話して合意しておかないと共著という形式は難しいと思いますね。

4. 励まし合い、挫折しづらい仕組みを作る

3月くらいから毎週ミーティングをして、6月くらいから文章を書き始めたのですが、週次で進捗報告をするというのが私たちにとって支え合う良い仕組みになっています。

毎週締め切りがやってくるという程よいプレッシャーと相手に迷惑をかけたくないという自分の罪悪感(?)から「少しずつでも進めねば...!」と原稿に向かわせる原動力になり、進み具合の差はあれど毎週少しずつ進めることができています。(+google documentで共有しながら書いており、相手の進捗が分かるため、それも良い後押しになります)

書いていると「うーん、この後の表現どうしよう」とか「ここ、何も浮かばない...」など行き詰まって止まってしまうこともあるのですが、そこで挫折する前に相手と話し合う時間が仕組みとしてあるので、「今週はここまで書いて、この部分を相談するか...」と少しのことであっても相談しながら進められるという安心感があります。

また、毎週進捗を報告しあった後、次の週にこんなことを書こうと思っているということを短く話し合ってから書いていっているので、翌週に書き終わって見せ合ったときに「(相手の書いた文章の) 内容の感触がちょっと違う...」ということが起きなくなります。

相手の書いている内容を見ながら、文脈を引き継いで自分の文章へ反映させていくこともできるので、全体としてもまとまった内容へ調整しやすくなります。

これがもし、「○ページ書いてから1ヶ月後にまた打ち合わせ」という方法だったとしたら、相手の書いた文章に違和感があったとしても指摘しづらかったり、相手の文章と前後の文脈をつなげづらかったりしたのではないかなと感じています。

少しずつ進めて、共有して、相談しあって、励まし合って書き進める。1人では難しかったことを2人で頑張る仕組みにすることで、無理なく進められることができました。

1人じゃ書けないことを2人で書く   共創の時代に共著という在り方

以上の4つが、ここまで共著で本を出すぞと決めてから進めてきた道のりです。まだ本は書いている途中なので、この後どんな風に進んでいくか私自身も楽しみにしているところなのですが、まずはここまで進めてきた道のりを振り返って「こんな風に進んで来れたことがよかった」と書き残しておこうと思いました。

複雑性が増す今の社会だからこそ、サービスを提供するときに複数名で取り組む方が、包括的な価値を提供しやすいと考えています。本を書くときも独りよがりにならずに、適度な客観性も保ちつつ進めることができますし、何より一人では書くことができないものを生み出せる喜びがあります。(+私自身は元々出版願望はなかったので、田原さんから声をかけてもらって後押ししていただかなければ、わざわざ本を書こうという発想にはならなかったです )

もちろん、単著で書く良さもあると思います。しかし、やはり私は一人でできないことを誰かを一緒にやるのが好き。「共創が大切ですよね」と言葉にするだけでなく、それを体現する自分でありたいと思います。

繰り返しますが、本はまだ出版されてないので、、、進め方が良かっただけで終わらないよう、引き続き原稿執筆をがんばります!


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