ポルトガルにもあった、マクロビの世界
今年の初夏はちょっといつもと違う。
もう7月だというのにとても涼しくて、6月はとても雨が多かった。7月2日の今朝の気温は22度。でも今日は、昼から久しぶりに暑くなるらしい。
リスボンから車で40分ほど離れた自宅のキッチンでプライベートレッスンを受け付けるようになってから、もう半年くらい。今までとお客さんの種類が結構違っていて面白い。
うちに来られるのは、意外にも、料理家の人が多いのだ。女性が圧倒的に多くて、普段はリトリートの施設で食事を作っている人たちや、料理教室をされている人たち。印象的には、日本の調味料の使い方を知りたいとか、野菜料理のレパートリーを増やしたい、という感じ。
中でも面白いなぁと思ったのが、マクロビオティックを長年されていて、そこで料理教室をしている人たち。最初、プライベートレッスンをしてほしいと言われた時、「私はマクロビの知識が十分にないから難しいかもしれない」と尻込みしたお返事をしていたのだけど、それでもいいから、ということで始めてみた。皆さんには日本発祥のマクロビってどんな食事か、何となくご存知の方もいらっしゃるかもしれないけど、ポルトガルでマクロビとなると、一体どんなものを食べているのかしら?と興味湧きませんか?
教室の前に、少しでも予備知識を、と色々マクロビについて調べてみたら、どうやら日本の伝統的な料理という印象がある。そして玄米とか梅干しとか、隠と陽とか。でもこっちだとどういう感じなんだろう?
最初に来られた方は、8年ほどマクロビの料理の先生をされている方で、それでも日本に行ったことがないし、和食のことをよく知らないから、実際の日本の日々のご飯を知りたいということだった。
それなら、と作ったのが、雑穀米、お味噌汁、お漬物、きんぴら、揚げ豆腐のきのこ餡掛けなどなど。
「あなたはマクロビを知らないと言っていたけど、これはもうマクロビの食事よ!」と、とても勉強になってインスパイアされたと言っていただいた。
そうしたら、今度はもう30年以上マクロビの先生をされている方とか、その生徒さんとか、次々と定期的に来られるようになった。私自身もとても興味深いし、なんだか新しい世界が広がってすごく楽しい。こちらでも、たとえば梅干しや醤油などはよく使うらしいし、胡麻をすろうと思って出したら「すり鉢ね!持っているわ。」と言葉や用途も知っている。甘酒はスイーツにとてもよく使うみたいで、甘酒ティラミスなんかも持ってきてくれたことがある。
私も本当に勉強になることがたくさんあって、例えば、片栗粉を使うときに、「それは陰の食材だから、代わりにアロールート(クズウコンというらしい)でもいい?」とか、ちょっと黒砂糖を使う時も「砂糖はダメだから、他のもので代用してもいい?」とか聞かれる。
こっちではどんな食事しているの?と聞くと、雑穀をメインに食べているようで、基本は菜食。たまに魚もちょっと食べる。規則にがんじがらめになってギシギシとしている人はいなくて、皆ゆる〜と陽気に楽しく、とてもハッピーに活動されている素敵な人ばかり。
そんな感じで、まだまだ面白い話がいっぱいあるのだけど、また少しずつここで書いていこうと思う。