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頑張れ!新入社員くん

さっき、スーパーで久しぶりにカゴ一杯の食料を買ってきた。連休中の家族のための食料を買うためだ。

いつもは、私一人の食事。
自分用には、これといった料理は作らず、食べるものと言えば、主に卵と野菜だけ。ご飯も炊かない。買い物は、足りなくなったものを買い足す程度。

だから、今日は本当に久しぶりに、食べる人の顔を思い浮かべながら買物をした。
人のためなら張り切れるという不思議。こんなところにも「幸せ」ってものが転がっていたんだね。

大量の食料が入ったカゴを持ってレジへ。

レジを打っているのは、若い男性。
私の前に並んでいたおばあちゃんが、電子マネー決済をしようとするも、上手くいかない様子。
なかなかお会計が終わらないため、違うレジに並ぼうかと思っていたところ、レジの若い男性はサービスカウンターへヘルプを求めた。レジ係の男性が連れて来たサービスカウンターの女性は、慣れた手つきで、あっという間に会計を済ませた。

いよいよ、私の番だ。

若いレジ係のネームプレートに目をやると、漢字三文字の珍しい苗字を確認した。(忘れちゃったけど)
そのお名前から視線を少し上に移すと、「新入社員」という文字が見えた。

あぁ、なるほど。
レジに手間取っていたのは、そのせいだったのね。

おぼつかない手つきでバーコードを読み取り、商品を隣のカゴに移す彼。すべての商品を隣のカゴへ移し終えたことを確認したあと、私は思わず、
「新入社員さんなんですか?」
と声を掛けてしまった。
すると、彼は、
「はい。お待たせしてしまってすみません」
と、申し訳なさそうに私に顔を向けた。

「いえいえ…私の息子も新入社員なもので、なんだか他人事に思えなかったんです。頑張って下さいね」
そう言いながら見た彼の顔は、笑顔だった。
ごめんね、お節介おばちゃんで。

きっとウチの息子も、知らない土地の誰かに、温かく見守ってもらっているんだろうな。
頑張ろうね!新入社員くん!

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