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【勉強】熱中症についておすすめリソース3選

医療従事者としてスポーツ現場で活動することを考えたとき、絶対に勉強しておかなければいけないテーマのひとつが「熱中症」についてです。

しかし、看護師の教育課程できちんと習ったり、あるいは看護師免許を取得して医療機関で働くようになってからも「仕事を通じて」熱中症に関する最新の知見を学んだり、知識をアップデートする機会はあまり多くないのではないでしょうか?

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私自身も学生時代は部活動をしていたし、「しっかり水分とればいいんでしょ?」「熱中症になったら首やそけい部を氷で冷やせばいいんでしょ?(※この方法は深部体温を効果的に下げる方法としては推奨されていません)」となんとなく知ってるつもりでしたが、スポーツ医学を本格的に勉強しだしてからは「全然わかってなかった・・・」と思い知らされました。

昔、慣例的にみんなが信じてやっていたことは、実はあんまり科学的根拠に基づいていなかったんだなぁ・・・と、「全く知らない」と自覚しているよりも、むしろ「知ってるつもりになっている」ことの怖さを実感しました。

そんな経験も踏まえて、この記事では、スポーツ現場で活動している/これから活動したい看護師さんが、熱中症についてきちんと勉強を始めるときにおすすめしたいリソースについてシェアします。

これらは全て無料で、誰でもアクセスすることができます

1から3にかけて情報の難易度が上がっていきます。

1.Dr. Douglas CasaのTED-Ed動画

こちらの動画は、今までブログなどでも何度かご紹介させていただきました。

熱中症について勉強を始めたいすべての人におすすめしたい、わずか4分弱の動画です。

・熱中症はなぜ起こるか
・熱中症とはどのような状態か
・熱中症が起こった時の正しい対応

これらのことが非常にわかりやすく簡潔にまとめらていて、誰でも熱中症についての概要がすぐに理解できます。

動画は英語で作成されていますが、YouTubeの設定から日本語の字幕をつけることができます。

この動画の作成責任者であるDr. Douglas Casaは、米コネチカット大学内に設置されているKorey Stringer Instituteという「スポーツにおける突然死の予防とエビデンスに基づいたスポーツ医学のスペシャリスト機関」のCEOであり、この分野の第一線で研究やフィールドワークをされている方です。

熱中症の勉強に関心があり、この動画をまだ見たことがない人がいたら、ぜひ一度見ておくことをおすすめします。

2.JSPO監修『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック』

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こちらは、日本スポーツ協会の専門家の方々が、大塚製薬との協賛で発行しているパンフレットです。

2019年に改訂版が出され、より最新のスタンダードを反映した内容となっています。

部活動の安全管理に携わる方などには、特におすすめしたい資料です。

<目次より>
・熱中症の病型と救急処置
・スポーツ活動中の熱中症予防5ヶ条
・熱中症予防のための運動指針
・解説
 ー暑いとき、無理な運動は事故のもと
 ー急な暑さに要注意
 ー失われる水と塩分を取り戻そう
 ー薄着スタイルでさわやかに
 ー体調不良は事故のもと

熱中症についてより詳しく学べる教科書のような充実度ではありますが、イラストが多くてとても読みやすいです。

選手や保護者、コーチなどへの情報提供としても活用できると思います。

☟日本スポーツ協会の公式サイトから、PDF形式で無料でダウンロードできます。

3.ポジション・ステイトメント

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こちらは、全米アスレティックトレーナーズ協会(NATA)が発表しているPosition Statement(意見表明報告書)とよばれるメタアナリシスであり、米国でアスレティックトレーナーとして職務を果たす際の指針となる科学的根拠のひとつです。

それを、NATAの公式アフェリエイトである日本のジャパン・アスレティックトレーナーズ機構(JATO)が専門家の監修で日本語訳したものが無料で公開されています。

学術論文なのでぱらぱら〜〜っと気軽に読める感じではありませんが笑、最も信頼度の高い情報のひとつです。

☟JATOの公式サイトからPDF形式でダウンロードできます。

おまけ:「独学」のモチベーションを保つには?

ここまでご紹介したリソースはそもそもが全て無料で公開されているものですし、多くの人に知ってもらいたいためこのマガジンをご購読していない方でも読めるようになっています。

ここから先は余談にはなりますがマガジン購読者限定コンテンツです。

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