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旧街道の廃道工事

区役所で働く友人に、私が最近気になったことを話していた。


運転中、抜け道を使おうとしたら通行止めになっていた。看板に『廃道工事のため通り抜けできません』の文字。
街の区画整理が進み住宅街が広がったため、道の利便性を考えると、斜めに走るこの道は邪魔者扱いされだしたということか。
いつ決まった?広報にでも載った?私初めて知ったんだけど。勝手に誰が決めたのよ。と怒りが込み上げてきた。
歴史ある旧街道。かたわらには、石の道標やお地蔵様がひっそりと残る。一部とはいえ、そんな簡単になくしちゃっていいんだ。しかも、廃道って。不要になって捨てられる道みたいな。
なんとも寂しい気持ちになった。と。

友人は、いつものように聞き流しつつ、こう言った。

あ〜。「いつ決まったんや!俺は知らんぞ!」って窓口に怒鳴り込みに来るおっさんいるけど、そのタイプだ。

いや、私その手の人だったの?別に怒鳴り込みには行かないし。
怒鳴り込みに行くおっさんの中にも、一抹の寂しさを抱えてる人もいるかもしれないよ。

そんな感じで話は流れていった。


狭い旧街道にありがちな、タイミングを図り電柱の手前で対向車を待ったり、待ってくれたりしながら通る感じや、側溝の蓋の上をカタタタンと言わせながら走る感じが私は好きなのに。そういった風情は少しずつなくなっていくのだろうか。

『廃道工事』ではなく、『お疲れさま工事』はちょっと違うけど、表現を変えてほしいと思う。

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