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広告の歴史は社会のあしあとだから

昨日の夜から心の嘔吐が止まらない。

オエッおえっっ

リアルライフの精神状態にここまで土足で上がり込んでくる脚本かいた人、ほんま罪深い女だな。

あと2週間、現実との折り合いをつけて生きればいいのだろうか。

ツイッターで同じ沼にハマっている(なんなら私よりずっと重症そうな)人のつぶやきを永遠に追ってしまう。そこらに墓が乱立している。だめだ、我々はまだ死んではいけない

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そんなこんなと、梅雨に入ってお天気も空気もどんよりしているので、私の大好きな(いやみんな大好きか)

「美しい」「おしゃれ」「きれい」「かっこいい」「いけてる」「クール」「すてき」「うまい」「かわいい」

などなどの、きらきらした感情に栄養を与えに行くことにした。

電車に乗って新橋駅へ。

たどり着いたのは汐留にある「アドミュージアム東京」

最大手広告会社の電通さんが持ってる広告のミュージアムです。

すっごいね。

ツイッターで(ツイ廃ぶりがばれる生活)みて前から行きたいと思ってたんだよね。

なんと入場料無料。気軽に行ってみるしかない。

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広告の歴史なんてこれまで考えたこともなかったけど、江戸時代から商売を加速するためにいろんな形の広告が描かれてきたようだ。

広告の歴史は、社会の世相を色濃く反映している。

江戸時代の人気歌舞伎俳優を描いた錦絵もかっこよかったし(7代目市川団十郎だって。今も受け継がれている名前だね、すごい。伝統芸能だ)、今は都内にもよく行くから三越とか、日本橋とか、そういう地名が描かれているのをみると、あぁ今私たちが暮らしている社会は、教科書の中でしか知らない江戸時代からちゃんとつながって存在してるんだなぁなんて改めて実感して、なんだか感動した。

大正時代の広告もとても素敵だった。

こういうときに素敵以外の語彙と知識がなくてスマートに表現できないのが残念なのだが、とにかく、すごいよかったので展示物に添えられている解説をじっくり読んできた。

スタークリエイターの誕生、アールヌーボーやアール・デコの潮流を取り入れたデザインやポスター。

様々な広告表現を眺めているだけで、大正モダニズムの息吹を感じ取れるようでわくわくした。

日本が第二次世界大戦に突入した時の広告物は、ショッキングだった。

戦意高揚のためのスローガンやプロバガンダの標語広告など。

外にあかりが漏れないように、電球のカサに黒い布の正しい巻き方とか。

歴史の勉強じゃないよ。この時代に社会に流通していた広告はこういうものでした、っていう事実がそこに並べられているだけ。

でもこのへんの時代のことは、まだ実際に知っている人が生きてるんだよね。この時代に20代とかを過ごしていたら・・・私たちの人生とは全然ちがうよね。考え方も、大事なものも、コミュニケーションのとりかたも、何もかも。

そのあとの、戦後の復興期や高度経済成長期の広告やポスター類の、ちょっと浮ついている雰囲気も好き。

ただこういうノリはこの時代だから受け入れられたのであって、この時から文化が止まっているオジサンたち(すみません)が、もしこのノリで今の若者世代にアプローチしたら、もうすっごく叩かれたり規制にひっかかったりするんじゃないかなって思ったw

そういう過去の経済状況と社会の雰囲気が、今の若者とこの当時に若者だった現・団塊の世代との価値観の違いを産んでるのかもしれない。

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テレビCMもたくさん視聴できた。ってか、電通ってこういうのを全部、作る仕事をしているんだね(全部かどうかは知らないけど)。まさにその時代のトレンドやブームを作ってる感じだな。

いいCMっていっぱいあるけど、私が特に感銘を受けたのは

Mr.Childrenの曲がかかるカップヌードルのCM。「明日、もし晴れたら、広い公園にゆこう〜・・・」めちゃくちゃエモい。

Love has no gender.みたいなCM。
2人の人がパネルの後ろで抱き合ったりキスしたりしてて、それが観衆にはスケルトン(レントゲンみたいな骨だけ)で見えてて、パネルの前に出てきたら女性同士のカップルだったり、男性同士のカップルに子供がいたり、黒人とアジア人のカップルだったり、異なる宗教だったり、老夫婦だったりする。
スケルトンだけみたらその人たちの見た目(外見)はわからなくて、ただ2人の人間がお互いを愛し合っているだけにしかみえない。愛って本来そういうもの。外見の違いで偏見を持つのではなく、ただシンプルに、人間同士の愛。みたいな。
うまく説明できないけど、すごくメッセージの伝わるCMで、じーんときた。
Love has no age. Love has no religion. Love has no race.

明日があるさのCM。
これたぶん3.11のときの。いろんな芸能人が、レコーディングスタジオみたいなところで順番に、ワンフレーズずつ「明日があるさ」を歌ってるの。あの時期、大きな災害でたくさんの被害が出て、日本中が悲しみにくれてた。いろんなことが自粛ムードで。そういうときに、たぶん、CM作る人ってか広告作る人たちが、少しでも国民に勇気や元気を与えられるようにってあのCMの企画を作ったんだろうなって思う。
そういう時、人に何かを伝えたり、与えたりする力がメディアにはあるんだなって思った。

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2階には電通の図書館みたいになってて、広告業界関連の書籍がたくさん置いてあった。

この業界、本当にすごいな。

いくつかパラパラみて、その中のひとつ「コミュニティデザイン」みたいな本がすごくおもしろかったので、机に座って閉館間際までじっくり読んだ。

クリエイターってかっこいい。

私が今もし、18歳とかだったら、何かしらのクリエイターを目指していたと思う。

10代のころは美術がいちばん好きだった。

心が平穏じゃない時にこういうところに来たいと思う時点で、私はクリエイティブなものを求める傾向があるんだと思う。

別に後悔しているわけじゃないけど、こういうときたまに、どうして私は医療従事者を目指しちゃったんだろう、と思ったりすることもある。

だけど最初に白衣を着たいと思ったのは覚えている限りでは小5だから、それはそれで理性で考えた目標とかじゃなくて感覚的に惹かれるものがあった職業だったんだろう。

興味や趣味は時間とともに変化していくものだけど、心が素敵だな、いいな、好きだなと思うことはとにかく大事にしたい、と最近めちゃくちゃ思う。

あれもこれも全部やりたい人生だけど、ある程度絞ってみっちりやりたい。

でも、だからこそ、どうしても心が惹かれるものが、今一番頑張るべき(と思われる)ものと一見関係ないように見えても、無視したくないと思ってる。

色々素敵なものを見て、知って、考えて、すごく創造性への探究心が掻き立てられるいい時間だった。

アドミュージアム行ってよかった。

まずは目の前にあることを明日からまたしっかり頑張ろうね。

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