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ゴールデンボンバー『Hey Yo!』のラップパートをラップ好きが分析してみたYo!

ゴールデンボンバーの曲『Hey Yo!』には、各メンバーのラップパートがあり、それぞれの個性が出ています。

今回は、韻の踏み方の解説や、印象的な言葉選びなどについて、書きます。


ラップパート

<喜矢武 豊>

太字の「in the dark」、「照らす太陽」、「shining喜矢武sun」は、「闇の中」を「照らす太陽」として「輝く喜矢武さん」が存在していることが表現されています。太陽の英語の「sun」と、敬称の「さん」ダブルミーニングになっています。また、普通なら理解できなさそうな歌詞でも、「たしかに、喜矢武さんは太陽のように輝いてる」と聞き手が不思議と理解できる、喜矢武さんだからこそ成立する歌詞になっているところが、おもしろいですよね。

赤色マーカー部分は、「ねぇ」の"イアエ"の母音を基本に、「あが」は2文字目と3文字目の"○アエ"、「いの」は1文字目と3文字目の"イ○エ"の母音で韻を踏んでいます。

紫色マーカーの「評価」、「行こうか」は"オウア"の母音で韻を踏んでいます。

太字黄色マーカーの「興味がない」と「興味はない」は、しっかりと韻を踏みながら、助詞の「」と「」という小さな違いが、意味の大きな違いを生み出していて、なかなか興味深いですね。

ピンク色マーカーの部分は、「ビリーブマイハート」の発音を「ビイ・ハァ」のような音で歌うことで、「いいじゃん」と「ビリーブマイハート」で"イイア"の母音で韻を踏んでいます。

緑色マーカーの「喜矢武」、「can」は、同音異義の"キャン"で韻を踏んでいます。また、歌詞の字面で考えると、緑色文字の「can ドゥ」で韻を踏んでいます。(実際の曲では、「キャンキャンドゥイッ キャンエニシン」のように歌っているので、"キャン"の音で韻を踏んでいますが、"キャン ドゥ"の音では韻を踏んでいないように聞こえます。)


<歌広場 淳>

緑色マーカーの「さかのここ」と「ップで登場」は、最初が""、最後が"オオ"、つまり"オオ"(○は不規則)の母音で韻を踏んでいます。

紫色マーカーの「をすれ」と「」は、最初が"ウア"、最後が""、つまり"ウア"(○は不規則)の母音で韻を踏んでいます。

黄色マーカーの「ない」の繰り返しは、日本語ラップの先駆け的な、吉幾三さんの『俺ら東京さ行ぐだ』の「テレビも無ェ ラジオも無ェ」の「無ェ」の繰り返しを彷彿させるような歌詞になっていますよねぇ。

赤色マーカーの「だから上げ」と「からの俺」は、最初が"から"、途中が""、最後が""、つまり"から"(○は不規則)の音で韻を踏んでいます。

ピンク色マーカーの「緒」、「けるか」、「こう」は、最初が""の母音で韻を踏んでいます。


<樽美酒 研二>

太字の「俺は全てSASUKE」は、リズムの取り方が、三連符(1拍の中に音が3つ、ダダダって感じのリズム)になっています。一般的に、三連符のラップは、リズムの取り方が難しいのですが、ここでは、難しいはずの三連符のラップになっています。
おそらく、「三連符のラップをするために必然的に、(音の数が3つの)3音の言葉を並べた」というより、「思いついたのが偶然、『俺は』『全て』『SASUKE』という、3音の言葉たちだったので、三連符のラップ奇跡的に出来上がった(本人はその奇跡に気がついていない)」という予想。

ピンク色マーカーの「全」、「SASUKE」、「人」、「変わったぜぃ」は、最後が""の母音で韻を踏んでいます。また、「全」と「SASUKE」も、「人」と「変わったぜぃ」も、どちらも後半は濁点をつけた音(て→で、せい→ぜい)で、韻を踏んでいます。

緑色マーカーの「いつの日か」、「制覇(せいは)」、「て」は、"イア"の母音(「て」のみ""の母音)で、韻を踏んでいます。

黄色マーカーの「歯が立たない」という、""の母音が5つ並ぶ言葉を、歌詞に使うところが、聞き心地がよく、おもしろさも感じます。

紫色マーカーの「勝って」と「って」は、"ッテ"(○は不規則)の音で韻を踏んでいます。

赤色マーカーの「Yo」は、このあとの鬼龍院さんの歌詞のところで書きます≡⊂( ^-^)⊃


<鬼龍院 翔>

赤色マーカーの「Hey Yo」、「出よう」、「お前」、「見ちゃいねえ」、「服」、「髪型」、「音楽」、「MOVE ON」「楽しもう」は、最後が""の母音で韻を踏んでいます。さらに、これは研二さんの歌詞の最後の「Yo」を引き継いだ上で、韻を踏んでいます。

黄色背景の「服も」、「髪型も」、「音楽も」、「だから」、「MOVE ON」、「楽しもう」は、母音を考えると韻を踏んでいないように思うのですが、同じようなフロウ(歌いまわし)にすることで、言葉のひびきを合わせて韻を踏んでるような感じになっています。(韻を踏んでいないけど、韻を踏んでいるような…いわゆる「語感踏み」みたいな感じ。)

1音の母音と、フロウを駆使して、韻を踏む。
この韻の踏み方は、ヒプノシスマイクの「伊弉冉一二三いざなみひふみ」というホストのキャラクターに提供した曲『パーティーを止めないで』に通ずるものがあるように思います。
以前、『パーティーを止めないで』に感じるゴールデンボンバーっぽさの理由を考察したので、気になる方はどうぞ( ^-^)⊃⌒ο


まとめ

以上の分析より、各メンバーのラップパートは、以下のような特徴があると考えます。

喜矢武 豊 →自由な発想の天才
歌広場 淳→音よりも文字、感覚よりも理論
樽美酒 研二→直球ストレートの魔球
鬼龍院 翔→1音の韻、フロウを駆使


『Hey Yo!』が収録されている、アルバム【COMPACT DISC】では、韻をたくさん踏む曲がもう1曲あります。

そのもう1曲、『Yeah!めっちゃストレス』の曲調に合わせながら、その曲の韻の踏み方について書いて、おしまいにしたいと思います。

Aメロの途中〜 韻を考える〜 そしたらわかる〜 全2拍末
マジ、母音は"ウ"〜 最後、不規則〜
もうみんなで踊っちゃえ~!

※ムィチナンイェハシャッカージェーモフレー
フォチネースフェネーウェイコネガッティー
ムィチナンイェハシャッカージェーモフレー
キャレモァクリーアーゲスフェラゴヘレン

Bメロだいたい文末は"クス"
母音を一致させるよりコンプレックス
後方一致、考える、これは
難しい

※繰り返し×8

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