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映画『seobok ソボク』を観たよの感想 (2021.7月の転記)

こちら劇場で3回観た1、2回目の感想のドッキング。3回目の感想はマニアックすぎるので闇に葬りました。アーメン

ソボク、魂の救済と浄化。
ソボクとギホン二人の鎮魂の旅。
利己的に生きている奴らがひたすら生に固執する中を、二人は互いを癒しながら駆け抜けていく。そして利他に行き着き死を恐れない二人の心が通い永遠になるラスト。

ソボクでコンユ演じるミンギホン、余命いくばくもない設定なので、最初こそえっこれめっちゃすぐ死にそう…!という見た目とメンタルに仕上げてはいるがストーリーが進むにつれ本来ご本人が持つ素質である上手いカーチェイス、上手い銃捌き、顔の良さ体格の良さなどが隠し切れず、絶対こんなもん、殺しても死ななそげーー!というソボクより死ななそげオーラを纏っていくの最高すぎて「腫瘍などない。虚言」と我が脳が信じたのであの後もミンギホンはピンピン生きると思います。

ソボクのピュアな存在感を示すために前半は観客の目がボゴミの瞳に集中するよう、髪型がマッシュカットになっている。後半、観客が全身全霊で怒りを表すソボクの表情筋に注目出来るよう研究所で謎に髪を刈られている設定ナイス

コンユ演じるミンギホンに対し、過去回想シーンなどがないのはやはりソボクとの絆に絞りたかったからかなと思った。
研究所から輸送されるソボクが、ギホンに執拗に、それ(銃)使ったことあるのか、今まで何人殺したのかと聞き「俺は射撃が得意だから」という台詞を引き出すのが最後のシーンへの伏線になっている。
ギホンが一貫して暗いトーンの服を着るのに対し、外の世界に出て羽ばたいたソボクに一瞬生命力溢れる三原色の服を着せるの胸熱すぎるから本当に。二人の命の対比のまばゆさ。
市場からの、隠れ家のシーンがいわば唯一の二人の安寧だから…わかってるから大切に大切に見ました。ソボクの表情の全てが可愛らしく、恐る恐るではあっても少しずつギホンが歩み寄る心の距離。尊い。はー顔が良い無理です(ストーリー逸脱)
乗り込んできたアン部長の手下の銃攻撃に対しフォークで応戦するヒョンを背後から逆護衛するソボクちゃんの愛。やめて(もっとやって)
さすがにハメられてることに気付いたギホナ、アン部長の着信を受けて「お?俺にくたばれってか?クソが」と吐き捨てて電話切るシーンで、顔に集中しすぎていたがために初めて「グェッ」と自分でも聞いたことない声を劇場にて出してしまう。顔良すぎ口クソ悪エージェントミンギホンフォーエバー(両腕をグーにして胸の前で組むワカンダフォーエバーの型をとるyukky) ええ、今日も地獄の果てまであなたに着いていくわ
コンユの後頭部の美に対するマニアックスなので後ろからついていく目線のシーンが多いのが本当にありがとうございます。
ギホン、守るものが出来て死ぬ気が失せるタイミングが明確にあるわけではないけど、隠れ家で、念力でソボクに助けられ、一切の追跡装置と携帯をバキバキに叩き割ってソボクを車に乗せるあたりで「この人生きるって決めたな」って思った。投げやりじゃなくなり、痩せぎすのその大きな瞳に慈愛が灯って、運命共同体として走り出す感じ。
最初完全に、ソボクを護ることは自分を護ること(利己的)だったけど、海でふたり夜を明かして心の蟠りを吐き出し、ソボクのために教会を目指したことで利他的に傾き人間味を取り戻していくギホン。美しい。美しすぎるんじゃコンユ…!!!(心が綺麗になりガワが汚れていくシステムは『新感染 ファイナルエクスプレス』のソグ様と同様。そしてセクシーがぶっちぎっていく)
海と、教会のシーンで、二人それぞれの魂の救済が終わり、まっさらになった二人が「行くとこもうわからんね」となるところが好きすぎて尊死。世界に二人だけ、みたいな瞬間をここで描きたかったんだろう。オタクはそういうのが大好きです。よく知ってますね監督…!ありがとうございます(何度目かの拝み)

目的が何も無くなったソボクはヒョンを助けるためだけに研究所に戻ることを選んだが(利他的)、そんないたいけなソボクの姿を見ていられないヒョンは、全てを敵に回してソボクを解放する。それは、ソボクへの感情が自らの生への執着を超えた瞬間だった(利他的)
互いのより良き人生を想い合う二人が、最後に導き出す最善のラスト…ソボクの「全てを終わらせ、眠りたい」という願いを一人だけ叶えられる。ソボクは死と向き合い、ギホンはその生と向き合っていく。ギホンの「生」の中にソボクの「死」が生き続け、ソボクが知りたかった「永遠」はそこに存在していた。
「想い」こそが永遠であり、生を全うする力。

ソボクがギホンのために積み上げた石塚に、つるりとした石を積むギホン。その石に、白い鳥がひととき止まり、飛び立っていく。白い拘束服を着ていたソボクがやっと自由になれた、と涙が溢れる。最後にギホンの顔が映らないのも最高に良かった。
あの大きいカバンに、少しでも未来の夢が詰まっていることを願った。

p.s.友達と「野宿に疲れてギホンとソボクがもしあと一泊旅館に泊まったら」のifトークでめちゃくちゃ盛り上がってアナザーストーリーをやり始めて終わらなくなったのでその議題については別日を設けることにしました


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