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マインドフルネスを実際にやる!③なぜ赤の他人の幸せが関係するのか

前回、山下良道さんのお釈迦様の言葉の引用部分を抜粋しました。

「私が幸せでありますように。私が苦しみから開放されますように」

「この人が幸せでありますように。苦しみから開放されますように」

「生きとし生けるものが幸せでありますように。生きとし生けるものが苦しみから開放されますように」

『「マインドフルネス×禅」であなたの雑念はすっきり消える』P232-234

今日は、ここをもう少し詳しく見てみますね。

「私が幸せでありますように、私が苦しみから開放されますように」

はい、今、慈悲をちょこっとだけ、でも実在するものとして、感じたと思います。その慈悲に基づいて人間関係をもう一回リセットしていきます。

『「マインドフルネス×禅」であなたの雑念はすっきり消える』P232


 体が楽になる、とか、集中力がつく、ということも結果としてあるのですが、何よりも、人間関係をリセットすることが大切になってきます。考えてみれば、ストレスで体も心もしんどいのも、集中力がないのも、人間関係の悩みで煩わされているケースがほとんどかもしれませんね。

 全ての悩みは人間関係の悩みであると、アドラーは言いましたが、確かにそうかもしれません。山下メソッドでもまずはそこを断ち切ってリリーフピッチャーに活動してもらうわけですね。

全ての悩みは人間関係の悩みと説くアドラー心理学


「この人が幸せでありますように。苦しみから開放されますように」

はい。みなさんの慈悲はどんどん強くなって、知っているひとや尊敬しているひと、好きな人という小さなグループをはるかに超えて、見ず知らずの人のところまで広がっていきます。今日みなさんはここに来るまでに、電車の中で、駅からの道の途中で、コンビニの中で、たくさんの見ず知らずの赤の他人とすれ違って来ました、ひりくらい覚えているでしょう。その人を目の前に置いて、こう念じます。

「この人が幸せでありますように。苦しみから開放されますように」

『「マインドフルネス×禅」であなたの雑念はすっきり消える』P233

 ここで山下メソッドの特徴的な、他人の幸せ、しかも家族や友人などではなく、見ず知らずの人の幸せを願うというのが出てきました。瞑想の仕上げにおまけとして「せっかくだから世界人類が幸せになるように祈って気持ちよく終わりましょう」とかじゃないんですよね。なぜ、これがそんなに必要なのでしょうか。

この活動とは関係がない


はい。非常に強い慈悲を持っているみなさんは、見ず知らずのひとりひとりを愛おしく思います。もうみなさんが今いる場所では、ネガティブな感情が存在していない。ではそのときに、みなさんがずっとネガティブな感情を抱いてきた、あの人を目の前に置いたらどうなるのか、ちょっとやってみましょう。
はい、では、そういう人ですね。みなさんが、怒りや恨みや憎しみや嫉妬をずっと長期にわたって抱いてきたあの人を目の前に置いて、こう念じてください。

「この人が幸せでありますように。苦しみから開放されますように」

『「マインドフルネス×禅」であなたの雑念はすっきり消える』P233-234

 だんだんと、その理由がはっきりしてきました。さっきのコンビニですれ違った人の幸せを願うっていうのは、最初の練習だったかも知れませんね。本筋はこのみなさんが、怒りや恨みや憎しみや嫉妬をずっと長期にわたって抱いてきたあの人にありそうです。失恋した恋人や毒親かもしれません。

はい。長年にわたるネガティブな感情も皆さんの強い慈悲の前では一瞬にして消えました。ではこれまで自分も他人も、他人の中でも好きな人、嫌いな人、赤の他人も、もうそういう区別がいっさいない、その状態をこう念じてください。

「生きとし生けるものが幸せでありますように。生きとし生けるものが苦しみから開放されますように」

すべてを手放して慈悲の中に身を投げてください。慈悲の次元にジャンプしてください。

『「マインドフルネス×禅」であなたの雑念はすっきり消える』P234

 仕上げはこれです。

 自分にとって、最大の邪魔者を消してしまった後は、まだ会ってはいない、自分には直接的な害を及ぼしていない人に対しても、その人の幸せを祈ろうというわけです。


 今度はこのプロセスをビジュアルで理解してみる。


 さて、山下メソッドが目指すところはわかりました。

 ただ、その場にいないので、まだイメージが湧きにくいですね。

 そこで、今度は山下さんも鼎談の一人であるこの本の力を借りて、さらにこれをビジュアルで理解していきましょう。

 この中に、とても示唆的な、マインドフルネスの本質をズバリ表した絵が出てきます。

内山興正直筆「自己曼画」で理解するマインドフルネス

 順番になってまして、こうなります。


 もともとは、山下良道さんの師匠である、曹洞宗内山興正和尚の著作『進みと安らい 自己の世界』で語られる世界なのですが、この鼎談を読むと多面的によく理解できますので、そっちに依拠して解説してみます。

 次回はここから参りますので、お楽しみに!
 (^-^)

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