エビデンスあり!お年寄りも若者も記憶力には差がなかった
「最近物忘れがひどくなって……」⇒「年だな……。」
というお決まりの言葉がありますが、脳科学的にはこれはまったく根拠のない話です。
じゃあ、どうしてお年寄り(というか中年以降かな)は一般的には記憶力が落ちるという誤解があるのでしょうか。この記事の中に興味深い実験が載っていました。
若者と年配者の記憶力にはあまり差がない
若者でも「お前は馬鹿だ」と親や先生に言われると、やる気が無くなるだけでなく、実際にバカになっていくというわけです。これと同じことが中年以降老年まですべて当てはまるわけで、これはとても納得の行く実験結果ですよね。
加齢とともに減少するニューロン細胞は記憶力には大して関係のない細胞だった
でも、年とともに脳の神経細胞が減少するのは事実です。この事実は筋力の衰えと一緒で人間に寿命がある限りは覆すことができません。
多くの脳科学者はこの事実を以って、加齢とともに記憶力が減退するのは自然現象だとしてきたのですが、この考え方そのものも間違っていた可能性が高いことが最近明らかになりました。
有名な話で、アインシュタインの脳味噌の重さは一般人と変わらなかったというのがあります。実際に死後、アインシュタインの脳はグラムを計測されていますが、普通の重さでした。
ところが、この重さを測ったというのがそもそも、意味のないことだったのです。その時同時に別のものも計測していたのですが、大事なのはそっちでした。そこには、明らかに普通の人間とは違う特徴があったのです。
天才アインシュタインの「脳」の実態はこうだった
つまり、重さは変わらないけど、ニューロンとグリア細胞の割合が違っていたということです。つまり、これまで脳の働きはニューロンに注目していたのですが(脳をお手本にしている最近のAI研究もニューラルネットワークが花形)、どうも、注目すべきなのはそっちじゃなかったらしいのです。AI研究も間違った方向でずっと頑張ってきた(Googleもだから今頑張ってることは間違ってる)という考え方が出てきています。
脳細胞は確かに減少するけど減少しても記憶力には関係ないということ
というわけで、最初に戻りますが、お年寄りと若者では記憶力には差がありません。
なんちゃって脳科学者の好きな、加齢とともに記憶力の減退という図式は初歩的なデータ解釈の思い込み、誤解だったわけです。
結論 加齢は言い訳にできなくなったとも言えるかも(笑)
とはいえ、加齢とともに記憶力が減退するっていうことで、本気で悩んでいるお年寄りは意外と少ないのではないか、というのがみこちゃんの普段の観察でもあります。
記憶力がないと言ってあたふたしているのは、むしろ受験生です。
つまり、お年寄りはそれなりに功成り名遂げて身退くは天の道なりという境地で、もう若い頃散々頑張ったから、記憶力が衰えましたってことにしておこう、ですませている感じもしなくもありません。
言い方を変えれば、受験生みたいな切羽詰まったがむしゃらな意欲が衰えたことの積極的肯定かもしれせん。常に積極的であることはやっぱりしんどい面もありますし、そういうのは若い者に任せた!というのも、これまで頑張ってこられた年配者の特権でもあるなと、私は思います。
これまで頑張ったんだから、若いものがうんうん唸って頑張らなきゃいけない、というのはむしろ失われつつある日本人の美徳と言えるかもしれない。いつまでも、年配の人に頼っていてはいけませんからね。
でも、逆に意欲のある年配の方に「もう年なんだから」というのは、とても罪深い一言ではないかな、と思います。意欲のある若い人に「あんたはどうせバカだから」というのが罪深いように、意欲のあるお年寄りを心無い言葉で冷やかすのは、これまた失われつつある日本人の大切ななにかかも知れない。介護の現場でそんな言葉が普通に出ていないといいのですが……。
最新の脳科学は、そんなことを教えてくれます。
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