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フリーランスが覚えておくべき「報酬の精算方法」

こんにちは! スタートアップでバックオフィスをしているYukiです。
フリーランスが報酬の精算時に使う「上下割」や「中間割」といった言葉を聞いたことはありますか?
これは業務委託のエンジニアによく使われる精算方法なのですが、一般的な言葉ではないので初めて聞くと、なんだろう (?_?)  となりますよね。
そこで今回は、フリーランスの契約でよく使われる報酬の精算方法についてまとめてみました!

※この記事は、過去に複数社で業務委託契約の締結対応をしてきた経験と、自身のフリーランス経験をもとに書いています。

精算方法

まず最初に、業務委託契約でよく使われる精算方法は4つあります。

・固定
・時給
・中間割
・上下割

それぞれ、解説していきます!

・固定

名前の通り、報酬が固定で決まっているものです。
例えば、60万円/月(固定)の場合は、何時間稼働したかに関わらず、月額60万円が報酬となります。

※稼働の量に関係なく報酬が固定化されているので、実態と乖離した時に問題が発生しがちです。親しい間柄でない場合は、避けた方がいいかもしれません。

・時給

こちらも名前の通り、稼働時間(実働)ベースで報酬が支払われる精算方法です。
例えば、4,000円/時で160時間稼働した場合は、月額64万円(4,000円×160時間)が報酬となります。

時間精算の場合は、どれくらいのタスク量をもらえるのかを、事前にクライアントとすり合わせすることをお勧めします。多過ぎると対応が難しくなりますし、少な過ぎると報酬自体が減ってしまい、予期していた報酬を得ることができないためです。1か月に●時間までといった上限をつける企業もあります。

・中間割

こちらは、1か月あたりの基準となる「金額」と「時間の幅」が決まっており、「基準の幅」より多く稼働、もしくは少なく稼働した場合に、金額が変わる方法です。
週5稼働の場合は、140-180の中間割と呼ばれる精算方法が多いです。

<140-180の中間割>
140~180h稼働
→報酬は基準額

140hより少ない
→少ない分を基準額からマイナス

180hより多い
→多い分を基準額にプラス

上記の通り、1か月あたりの稼働時間が140時間を下回った場合は基準額からマイナス、180時間を上回った場合は基準額からプラスとなります。

具体例を見ていきます。

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<報酬条件>
- 報酬60万円/月
- 140-180の中間割
- 超過・控除単価3,750円 

185時間稼働した場合:
60万円+(185-180)×3,750円=618,750円
158時間稼働した場合:
(140~180時間の枠に入っているので)60万円
132時間稼働した場合:
60万円-(140-132)×3,750=570,000円

となります。稼働時間が140~180時間の場合、報酬は60万円ですが、
140~180時間の枠に入らない場合は、60万円から別途時間分をプラス・マイナスする形になります。
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精算幅は140-180が多いですが、企業によって異なります。過去には140-200や150-190といった幅も見たことがあります。

また週5の場合は140-180の精算幅ですが、週4以下の場合を同じ比率で表すと、下記の精算幅となりますので、ご参考まで。

<週4以下の精算幅>
週4:112-144
週3: 84-108
週2: 56-72
週1: 28-36


なぜ中間割と呼ばれるの?

中間割と呼ばれる所以は、超過・控除単価を決める計算方法にあります。
140-180の中間割の場合は、基準単価を140と180の中間に当たる160時間で割った金額となります。

例えば、報酬60万円/月、140-180の中間割の場合は、60万÷160時間=3,750円が超過・控除単価となります。

<中間割の超過・控除単価>
基準額÷精算幅の中間の時間=
超過・控除単価

140-180の中間割の場合:
基準額÷160=超過・控除単価


・上下割

中間割と同様に、基準となる精算幅を超過・不足した場合に、時間分を精算する形となりますが、中間割とは超過・控除単価の計算式が異なります

<140-180の上下割>※中間割と考え方は同じ
140~180h稼働
→報酬は基準額

140hより少ない
→少ない分を基準額からマイナス

180hより多い
→多い分を基準額にプラス

<超過/控除単価>
超過単価=基準単価÷180(精算幅の上限)
控除単価=基準単価÷140(精算幅の下限)

「超過単価」は月額の基準単価を精算幅の上限で割り「控除単価」は月額の基準単価を精算幅の下限で割ります。

例えば、報酬60万円/月、140-180の上下割の場合は下記となります。

超過単価:60万÷180時間=3,333.33…円
控除単価:60万÷140時間=4,285.71…円

※端数については、100の位で四捨五入する場合、小数点切り捨ての場合等、企業によって異なります。

なぜ精算幅を設けるの?

なぜ精算時に幅を設けるかというと、月によって営業日数の変動があるからです。月の営業日数は約20日(月~金の5日×4週間)ですが、2020年でいうと、5月は18営業日、6月は22営業日。5月と6月では"4日"も差がありますよね。

会社員は毎月決まった月給+残業代等手当をもらいますが、同じようにフリーランスも決まった月額をもらえるように配慮した方法なのだと思います。18営業日でも基準の月額がもらえるということですね。

(1日8時間勤務とすると)週5で月140時間を割ることはないので、病休や私用でお休みをした場合のみ、報酬から引かれる形です。稼働時間が180時間より多い場合は、その分プラスしてもらえます。

時給精算の場合は精算幅が無いので、多く稼働すればその分報酬をもらえますが、月の稼働日数が少ない場合は、その分報酬が少なくなります。

※企業側からすると、月額が固定されている方が、計算の手間がなく手続きも楽というメリットがあります。

フリーランスによく聞かれること

精算方法に関連して、フリーランスの方からよく質問を受けるので、こちらもご参考ください^^

①交通費
業務委託時の交通費は、委託費に含まれているという考え方なので、基本的にはもらえないところがほとんどです。クライアント都合で客先に訪問する場合は、請求できることもあります。こういった場合は、事前にクライアントに確認するようにしましょう。

②稼働報告書
請求時には、稼働報告書の提出が義務付けられていることが多いです。今はリモートも多いので、中間割や上下割で上限を超えてしまう場合は、事前にクライアントへ承諾を得るようにしましょう。

③消費税
フリーランスは消費税を受け取る義務があります。免税事業者であっても、必ず消費税を含めて請求しましょう。本noteでは、具体例の中に税込・税抜表記をしていませんが、契約時には税込み、税抜きどちらの金額なのか注意して見るようにしましょう。

最後に

精算方法についてまとめると、下記の通りとなります。

精算方法

中間割と上下割の場合は、超過単価・控除単価がありますので、ご注意くださいね。

精算方法は、ここまで見てきた通り、一概に中間割がいい、時間精算がいいといったことはないと思います。どんな現場でも対応ができるよう、ぜひ基本知識として持っておいてください^^

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m


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