FIREってなんだ?

最近流行っているらしい「FIRE」。

調べてみたらFI「経済的自立」してRE「アーリーリタイア」すること。らしい。

Financial Independence, Retire Early。

そんなの私が大学生の時代にも言われてたことじゃん?

そのムーブメントになったこの作者のこの本、最初に書かれたのは1990年代。まさに私が、いつか「アーリーリタイア」を決心した時代だった。

この本も一応読んでみた。非常に「金持ち父さん貧乏父さん」によく似ている構成だった。同時代に出版された本だから影響し合って書かれたのだろう。

今も昔はきつい労働は忌避される。世界のいずこであっても。

まずは人間は口に糊するをしないと生きられないので、とにかく最低限の収入を確保しなければならない。

まずは本の感想として、本で稼ぐためには何でも理由を付けてページを稼がないといかんよね的な、増長な文書が多すぎた。私たちは大抵、自分の経験を通してわざわざ作者が枝葉末葉書かなくたって、やりたくもない安くて、本人にとっては無意味に労働の悲惨さを痛いほど理解している。ここで世界のエネルギー問題など持ち出す必要はない。

読者本人の生命エネルギー問題に集中すれば十分である。

作者が経済自立の方法として進める方法は、ほんとにささやかだった。

必要最低限のささやかな小さな内職的な労働と投信。ただ、昔とは運用利率も違うし、特に日本の株式運用も配当も多くはないため、莫大な元金が必要になりそうな雰囲気。

金持ち父さん貧乏父さんの作者であるロバートキヨサキのように金のためなら喜んで労働するタイプの人間ではなく、本当に最低限の生活をどうやって構築するかという熱量低めの本だった。

このライフスタイルを提唱する本人たちはこれをビジネスとして講演も熱心に行っていたようではあった。

理解はできるが、あまり共感できないのは、なぜなのか。

それに気づいたのは、今実際に日本で年収100万くらいで生活している人たちの本を読んでみてわかった。

平成が始まった私が15のときなんだけど、私より後から生まれた平成生まれの若者たちは生まれた時から、社会が経済的に我慢をずーっと強いていたためか、ほんとに淡白でなにかに挑戦する前にそのために不可欠な苦労やパワーを天秤にかけて賢く最初からあきらめてしまう「ミレニアル世代」なのだなと思い出させてくれた。

その賢さを省エネに使ってしまう。どんなに頭がよくても、しない理由を考えつくことに注いでしまっている。

私はぎりぎりそこに生まれなかった。でも人生の多くは平成で過ごしてはいたけど、こんなに違うんだなと感じた。

それを責めることはできない。これは、この世代の責任じゃなくて、彼らを賢くあきらめの境地に導いたのは、その上の、更にその上の世代だから。

その上の世代は氷河期で、数はいたはずだが社会的に抹殺されて「いなかったこと」になってる。

もし、この氷河期世代が存在する企業に平成生まれが就職したら「こんなに苦労して、こんなに安い不幸な先輩を見たら一気に将来に希望が持てなくなる」のは、仕方ないことだ。絶望しかない。

氷河期が全くいない会社ならモーレツな高齢者のパワハラに曝されて、やはり会社を去ることになること請け合いだ。

つい先日、「経団連前会長の中西宏明氏死去」という記事を目にした。死去2年前まで経団連会長を務め、75歳で悪性リンパ腫で死去。

いま日本に何が起こっているか、理解できるだろうか?

昭和からバリバリ働いていた高齢者が大成功しても死ぬぎりぎりまで仕事から身を引くことができずに、そのまますぐ死ぬ状態。

こんな社会おかしくないわけないだろ?

コロナ自粛の中、どれだけの有名な高齢者が現役のままどんどん死んでいった。心当たりがあるでしょう?

その大穴を埋められるような次世代が思いつくだろうか?

私は思いつかない。

若者は、成功体験をする前に社会から弾き飛ばされている。

今やリストラは正社員40代から始まっている。

国は増え続ける高齢者を食べさせていくため、ゆくゆくは定年をなくそうとしている。だがしかし、そうなれば、その下の年代はますます、ろくに職につけずいつまでも貧しいままなのだ。

そうはいっても、労働不足といいながら、本当に必要な労働人口などそう多くはなく、どうしても減らないやっつけ仕事を日雇いだとか、ギグワーカーだとかに安く押し付けるだろう。安く押し付ける仕組みを構築できる企業が好決算をあげる。だから、出前館よりウーバーイーツの方が売り上げも利益も高い。

力のない、弱く貧しいものが、ますます搾取される。既得権益者はどんどん富を集める。

気づいているだろうが、そもそもすべての経済活動そのものが、富裕層の集金装置にしか過ぎない。

そこ労働者としてはめ込まれれば、養分になるという事実。

気づいているだろうか、リンカーンは奴隷解放をしたが、解放される前の奴隷は仕事と食事と寝る場所は保証されていた。のに、解放された奴隷は、そのすべてを自分で調達できなければ野たれ死ぬしかないのだと。

今、時代が証明している、解放された奴隷の多くは、奴隷以下の生活を強いられている。

これでは、バカバカしくなった若者が自ら「ニート」や中国の「寝そべり族」化することは避けられない。

でも、私個人は社会運動を始める気は全くありません。「世直し」には興味なし。

私の現実は多くの人が体験している現実とは少し違うからかもしれない。

コロナを経験した昨今、不動産バブルが過熱してきたようで異業種からの参入や年収が1000万程度のサラリーマンがローンを組んで購入しようとしてきて、価格上昇が収まらない様子。

で、そこに中古マンションを売却広告を出してみる。もう何年も出しっぱなし。これは「観測気球」。

なかなか悪くない物件ではあるけど、少し高めに出しておいたが、ここ最近、この値段なら買うとか、その後別会社から売却希望価格より超えた聞き込みがある。でも、そんな本気で買付証明書を打ってこない相手は無視して、希望価格を吊り上げてみるわけですよ。

実際市場は高騰しているわけで、誰とも交渉は始まっていないので、不動産の価格は交渉開始価格として存在するので、その価格で決まりというわけではないので一応下回る価格で指値もできたりしますが、逆もまたしかり。

詳しくは書かないけど、ここ数年の不動産ブーム、銀行も金が余って貸出先に困っていたこともありとある人が200億借りて不動産を買いあさってたが商業ビルにも手を出したところにコロナであぼーん。

不動産投資家界隈ではいくら借金があるというのは自慢のたねのひとつではありますが、借金がでかいとちょっとした変化で吹っ飛びますので、反面教師とさせていただいている今日この頃です。

うまくまとめられなかったけど、まとめたら、おそらく前述のFIRE本より今の日本に即した面白FIRE本ができる気がするが、全然やってないからここに書き捨て。

最後にまとめ。

私はFIしてREしたけど、欲が深いからそれがエネルギーになってFIが続いている。

とくに若い人には、失望してREするんじゃなくて、欲深くFIして銀行からもたくさん金を借りて会社起こして、誰か雇って、国にも税金払って、どんどん成長していってほしい。

私の国は、たとえ私が死んでも元気でいてほしい。そこに住んでる、次の世代を作る人には特に豊かでいてほしい。

人は老いて死ぬから、何か始めるなら若ければ若いほどいい。

でも、死ぬほど長く続ける必要はない。代謝も忘れないでほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?