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論文を読んでみる(「悪」の団体を燃やすーColabo に対するハラスメントにはたらくネットワーク・ミソジニーの論理)

<参考文献>
冷君暁、唐井梓(2024)、「悪」の団体を燃やす ーColabo に対するハラスメントにはたらくネットワーク・ミソジニーの論理
 106_7.pdf (u-tokyo.ac.jp)

この記事の意図:フェミニズムを題材とする論文がどんな形式なのか気になるので読む

初めて読んだ感想:専門用語を知らないと読みづらい(当たり前や)

この論文を読んだことによる気付き
・参考文献、ニュースや週刊金曜日の記事もありなのか
・ネットワークミソジニーについて、「暇空氏は女性を攻撃するために仁藤氏(Colabo)を調べ始めた」と言うのは前提が違うのでは?
暇空氏がColaboはじめ女性支援団体を調べたきっかけは「作品(温泉むすめ)を燃やす人がいる(仁藤夢乃氏)」→「他人のコンテンツを燃やす人に後ろ暗いところは無いのか?調べてみよう」
・前提が違うから以降の議論も結論もへったくれもないのでは?(個人の感想です)

聞き慣れない用語が多かったので、いくつか用語を調べてから、論文を読んでみます。

ネットワーク・ミソジニー
「オンライン環境における女性に対する特に激しい暴力や敵意の一種」(Banet-Weiser and Miltner 2015, 171)

フェミニズム
政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差や性差別に影響されず、男女が平等な権利を行使できる社会の実現を目的とする思想または運動。

バックラッシュ
ある流れに対する反動、揺り戻し。政治的又は思想的反発、反感の意味でも用いられる。

炎上
インターネット上のコメント欄などにおいて、稚拙な批判や誹謗中傷などを含む投稿が集中すること。

可視性の政治
当初、クィアや有色人種といったマイノリティグループが、自身の生が他者化されていることをマジョリティ社会に知らせるためのポリティクスを指していた――「座して死を待つよりは何が何でも公衆の注意を引きつけようという意図があったのだ」 (清水 2019, 17)

Colabo
若年被害女性等の支援を行っている一般社団法人。

論文の構成

1.はじめに──深刻化する性搾取にはたらくミソジニーの論理


2.ネットワーク・ミソジニーの理論枠組み

2.1 基本概念としてのミソジニー
2.2 ネットワーク・ミソジニーの性質


3.ネットワーク・ミソジニーのダイナミクス── Colabo の事例から

3.1 「温泉むすめ」からみるネットワーク・ミソジニーのイデオロギー
3.2 ネットワーク・ミソジニーの形成──「煉獄コロアキ」の動機
3.3 日本社会におけるネットワーク・ミソジニーの政治性──「日本のジョーカー」から


4.結語

ネットワーク・ミソジニーは、オンライン空間において生じ、フェミニストに対する攻撃や、それに伴い発生する「炎上」を特徴とした社会的なネットワークである。そのネットワークに属する人たちは共通のアイデンティティを構築し、他者と共鳴する。(せやろか)
形成されるネットワークが「炎上」を引き起こし、それによる大規模な情報拡散を通じて、経済的・政治的利益を獲得する。(フェミニストを「燃料」として行う「炎上商法」)

このネットワーク・ミソジニーの論理は、Colabo の例からみてきたように、ジェンダー不平等のダイナミックな構造を説明しうる。それゆえ、ネットワーク・ミソジニーという概念を用いてオンライン空間でのフェミニスト的社会課題についての「炎上」 を分析していくことには一定の意義がある。(ここの意味がわからず、要約ができなかった)

本稿では、2022年秋から始まった Colaboの 「炎上」事例を通じて、ネットワーク・ミソジニーのアクターとなった水原氏、杉田氏、河合市議らのソーシャルメディア(YouTube、 Twitter、note など)の内容分析をすることで、日本社会におけるネットワーク・ミソジニーのあり方を考察した。
彼らは「表現の自由」を擁護する立場から、フェミニズムを推し進める集団および個人を「敵」として認める立場をとった。(少なくとも暇空氏は、「フェミニズムを推し進める」集団および個人ではなく「他者のコンテンツを燃やす」集団および個人を「敵」とみなしたのでは?)
それゆえ(ほんまかいな?)、ネットワーク・ミソジニストたちは、水原氏によって発信された未検証の情報について、その真偽を問わず拡散を行った。
その結果、発信者が視聴数や金銭などの政治的・経済的利益を得ることを可能にした。ミソジニーの論理から生じた(ほんまかいな?)それらの発信は、Colabo に関する多くの虚偽情報をオンライン空間に波及させただけでなく、現実空間にまで影響を及ぼした。(暇空氏は現実空間での妨害行為・迷惑行為を止めていたのでは?)
その結果、支援を必要とする未成年女性のためのアウトリーチ活動や、スタッフや支援者への攻撃が行われ、活動の資源が失われる結果となった。

政治的なレヴェルでは(ほんまかいな?)、SNS上の影響力を政治的資本とみなす少数のYouTuberがColaboへの攻撃に参加し大量の注目や関心を集めた。(時事系YouTuberが話題の事例を扱ってマネタイズすることを批判したいのでしょうか?川松都議らが参戦したのは個人的には一時的に思えるため、「政治的レベル」という階層に疑問を持ちました)
その結果、女性の権利を主張する集団や個人の活動は継続的に攻撃されることとなり、汚名を付与された。フェミニストがもたらす社会変革── つまりは既存のジェンダー秩序の変化に対しての警戒心や恐れ、そしてそのような大衆の感情を煽動する言説や、視聴数などを金銭に変換する現行の資本主義システム、男性中心的な保守的政治権力、及びそのような「権力」に対しての憧れなどの要素が、ネットワーク・ミソジニーの血肉となり、信奉者を獲得する。(せやろか、会計きっちりしたら、「困った状況にある人を救う」活動自体には誰も文句言わんのちゃう?)

このとき、 自治体(東京都)は中立的姿勢をとり、主流メディアも当該「炎上」を社会問題化することなく既存の社会構造は維持された。以上に見てきたように、ネットワーク・ミソジニーは、デジタル世界と現実世界の境界線を超え、実際に女性の居場所を攻撃し、ホモソーシャルな男性共同利益が維持される働きをおこなったのではないだろうか。(私はそうは思いません)

本稿では、ネットワーク・ミソジニーへの具体的な対応策を示さないこととする。Schradieによれば、経済状況が比較的に安定している階級の参加、緊密で分業的な組織体制、そして明確かつ単純な目標設定といった要素の組み合わせは、オンラインでの社会運動であるハッシュタグ運動の拡大を促進するという(Schradie 2019,8)。(#Kutooとかツイデモとかのこと?)
とはいえ、日本のみならず世界のフェミニズム運動がこれらの三要素(①裕福な階級の参加、②分業的組織体制、③目標設定)を実践レヴェルで満たせるか、そしてフェミニストたちがそのような目標を真に望んでいるかがさだかではない。(そうなん?)
フェミニズムの実践は多様であり、その目的ごとにアプローチや手段が設定されていくことが望ましい。(一人一派とかいうやつですか)
しかしながら、本稿の執筆者らは、フェミニズム運動の研究が社会運動の実践と結びつくことで、ネットワーク・ミソジニーへの対応に効果的な処方箋を提供することを願っている。(なるほど)

最後に、Colabo が妨害に直面しているさなか、日本において伝統的な主流メディア(全国紙の新聞や放送局)がネットワーク・ミソジニーを行う人たちにより発信された未検証の情報を否定しなかったことに触れておきたい。
この原因や背景の考察は本稿の射程にないが、この事実は特定のコンテクストにおいて、主流メディアがネットワーク・ミソジニーのアクターとなり、脆弱な立場の人々への攻撃に加担してしま うことを示唆する。(WBPC各団体の資金の取り扱いがずさんだったのは事実であり、批判されたのはその点では?)

本稿ではこの点について、紙幅の都合上掘り下げることはできないが、主流メディアの役割やその内部におけるダイナミクスの分析もまた、フェミニスト運動の実践を、より良い方向に導くことになると期待している。(ほーん)

論文の要約

・暇空氏および彼に追随する人たち(ネットワーク・ミソジニスト)は、表現の自由を擁護する立場からフェミニズムを攻撃した
・フェミニズム運動の研究が社会運動の実践と結びつくことで、ネットワーク・ミソジニーに対処できるだろう

論文を読んだ感想

・『「悪」の団体を燃やす』ってタイトル、あまりにもセンセーショナル
 フェミニズムを扱う論文はえらいおしゃれなタイトルつけはるんやねえ…
・やっぱり前提(ミソジニー→Colabo攻撃)が間違っているのでその後の論が成り立たない気がする
・この論文に反論したいが、どのようにすればよいか分からずモヤモヤした
・この論文の査読者は誰?
・この論文の参考文献を読んでみたい
・私はこの論文の主旨に賛同しないが、自分の専門分野以外の論文を初めて読んだので興味深かった

最後に

今回引用させていただいた論文の著者に多大なる感謝を申し上げます。


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