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税理士事務所に転職したい人に求められる能力とは?②締め切りを意識しよう

未経験から税理士事務所への転職を目指す人に向けて書いています。
わたしが税理士事務所で働くうえで強く意識するようになったことです。
本記事は①の続きになります。


締切日はなんとしてでも守ろう


税金の申告期限は決まっている

法人と、個人の申告期限は主に次のようになります。
法人税の申告期限は決算日から2ヶ月後
・所得税の申告期限は2/16〜3/15まで

例えば・・・
3月決算の法人であれば、
3月末に〆。5/31日が申告期限です。
9月決算の法人であれば、
9月末に〆。11/30日が申告期限です。

個人は法人のように決算時期を自由に決めることができません。
1/1~12/31が会計期間となりますので、
前年の12/31日までの所得税を計算して、2/16~3/15までの間に申告をすることになります。

申告期限について覚えておいて欲しいことがあります。
申告期限というのは、申告書を提出するだけでなく、この日までに税金を納付することまでが原則的なルールになっています。

税理士事務所では決算書を作成し、税額の計算をします。お客様に報告、同意をいただき納付をいただくまでがゴールです。
3月決算の法人であれば5/31が期限です。
5/31に税金の報告をお客さんにしたとして、報告日当日に税金を納めにいけるでしょうか?
月末で銀行は混んでいますし、(だいたいめちゃくちゃに並んでます)
心理的なプレッシャーもあり、多大な迷惑をかけることになります。

わたしは入ってすぐ、1年目に失敗をしてしまいました。
お客様に報告をする日が申告書の提出期限と同じ日になってしまったことがあります。
2/28に報告をして、その足で銀行まで納付にいっていただきました。特別な修正があって遅くなったのですが、プロとして仕事をしていく以上は、修正までの時間を含めて期日内におさめることが要求されます。
この時の経験があるので、いまでは強く締め切りを意識したうえで仕事をするようになりました。

遅れれば遅れるほど、ペナルティとして、利息がかかる。

税金の納付というのは、納める期日が遅れれば遅れるほど、利息がかかってしまいます。遅れた日数分のペナルティです。
これがないと、期日までにきちんと納めている人が損してしまいますからね。

ペナルティで利息がかかってしまった場合、基本的にはお客様の財布が痛むことになります。

もちろん客先に原因があった場合は別ですが、期日は絶対に死守する。そういう意識を持って仕事に取り組んでいけると、よりよい仕事ができるのではないでしょうか。

締切を意識して毎日の仕事をデザインしていこう

決算書、申告書を作成する流れは次のようになります。

⓪会社が決算日を迎える。(通常月末です。)
①お客様に連絡。必要な資料のリストを送ります。
②資料の準備をしてもらう
(毎月の売上や経費の資料など、会社によってバラバラです)
③資料を預かる
(持参いただくか、取りに伺うなどします。)
④決算書の作成、税額の計算をする
⑤お客様に決算報告をする
(通常事務所に来ていただきます)
⑥税金を納付をしてもらう
⑦申告書を税務署に提出する

お客様にやっていただくこと
我々税理士事務所の人間がやること
を整理すると次のようになります。

<お客様にやってもらうこと>
②資料の準備をしてもらう
⑤お客様に決算報告をする
⑥税金を納付をしてもらう

<税理士事務所がやること>
①お客様に連絡。必要な資料のリストを送ります。
③資料を預かる
④決算書の作成、税額の計算をする
(ここが毎月の仕事のメインです)
⑤お客様に決算報告をする
⑦申告書を税務署に提出する

資料の整理具合は、お客様ごとに、上手い下手があるのが正直な所です。
毎月資料を整理するのに手慣れている人もいれば、あまり慣れていない人もいます。
資料の保管方法などもやりやすいようにアドバイスして改善していくことで自分の仕事がスムーズに進むようになりますので、改善点はどんどん指摘していけるとよいかなと思います。

意識しなければならないのは締め切りと、必要な作業量の見積もりです。

自分が税金の計算を仕上げるまでに2週間かかるのであれば、申告期限の2週間前に資料を預かったのでは間に合わないですよね。いつまでに資料をもらわなければいけないのか、自然と明確になっていきます。

お客様が資料の準備にかかる期間もありますよね。いつまでに必要資料の連絡を取らなければいけないのか、そういったことを逆算してスケジューリングしていきます。

1年目を乗り越えれば、どんどん楽になっていく

税理士事務所は基本的に担当制なので、1度自分が担当になると、担当に変更がない限りは、来年も再来年も自分が同じお客様と担当することになります。
なので1年目が一番大変なんじゃないかなと思います。
事実わたしも1年目が一番大変でした。

・お客様がどんな人かわからない
(めっちゃ怖い人かもしれないし、めっちゃいい人かもしれないしという不安はあるかもですが、9割5分いい人です。)
・どんな会社でどんな事業をしているのかわからない
・作業に必要な時間の見積もりができない。
そもそも決算書・申告書を作ったことがないのでやり方がわからない

そもそも何にもやったことがないので、完成形がわからないことが一番の難関でした。どうなったら完成なのかもわからないまま仕事をスタートしてしまったので、忙しさに揉まれているうちに

忙しい時期を乗り越える→実力がつく→普段の業務がめっちゃ楽に感じる

このループで仕事ができるようになっていったように感じます。
1年目を乗り越えられる人は続けられますし、逆に乗り越えられない人は1年持たずに辞めていってしまいます。
(せっかく勇気を出して転職へ踏み出したのに、1年持たずに辞めてしまうのが一番残念に思います。)

1年経つとお客様とコミュニケーションが取れている状態になるので、必要資料の準備や日程調整などもスムーズにいきます。
去年も決算をやっているので、どんな事業をやっているかも知っている。
売上もある程度読めるので、どれくらい作業に時間がかかるのかもわかる。

上のようないいサイクルに入るので、
正直1年目を乗り越えれば仕事はどんどん楽になっていきます。

覚えることも増えますが、1社あたりの決算にかかる必要時間はどんどん減っていきますので、できる仕事量が増えていきます。
(その分個人で売上も上がっていきますので、給料は増えていきます。)

締め切りを意識したうえで、早め早めの仕事を心がけていくようにしてください。
そしてもしわかないことがあれば早めに先輩に聞くこと。
上記のようなマインドで仕事をしていれば、未経験の新人だとしても、必ず先輩が助けてくれます。
(そこまで頑張っている新人を助けてくれない事務所はブラックなので辞めちゃっていいでしょう)

😊