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あのときの「瞬間」を水彩画に残す。兄妹の物語を感じる筆致と想い。《オーダー水彩画 利用者インタビュー》

「心に残したい瞬間を、いつまでも瑞々しく」をコンセプトに、日常生活における小さな幸せを絵にしている水彩作家yukko。心に残したい感情を表現する、世界にひとつだけのアート作品「オーダー水彩画」を提供しています。

今回インタビューに応じていただいたのは、関東在住のTさん。
まさかこの瞬間を描いてくれるとは!」と語ったTさん。どんな想いでオーダー水彩画を依頼したのか、実際に水彩画が届いたときにどんなことを感じたのか。お子さんへの愛の深さを感じるTさんの言葉と共に紹介します。(取材・文:堀 聡太)


かつて経験した瞬間が、水彩画で再び現われる


──yukkoさんの水彩画を知ったきっかけを教えてください。

最初にyukkoさんを知ったのは、Twitterでした。一目見たときから、yukkoさんの世界観に引き込まれるような感覚がありましたね。

私は美術館に行くことは好きでしたが、特定の画家やアーティストを推すことはありませんでした。でもyukkoさんの絵のタッチは、はっきりと私の好みだと感じられたんです。「過去の作品は見られないかな?アーカイブも見てみたいな」と思いました。

──2021年の個展で、初めてyukkoさんの原画をご覧になったそうですね。
東京・外苑前で開催されていた前年の個展には行けなかったので、恵比寿で開催された個展には迷わず足を運びました。

スマホ越しでなく、目の前でyukkoさんの原画を見たときは、最高というか……。「この場面を切り取ってくれるんだなあ」という喜びがありました。

──印象に残った作品はありましたか?
「待合室」という作品です。親が子どもを抱っこしているときに見えたものが、本当になんでもない瞬間なんですけど、私の体験とも重なりました。

子どもが熱を出して、抱っこしながら診察を待つ時間。全然身動きとれないし、重いし暑いし、でも子どもが飽きないように「大丈夫だよ」と声を掛けながら……。ふと目線を下げると、ちょこんと小さく、愛おしい足が見える。自分がかつて経験した瞬間が蘇ってきました。

(「待合室」、2021)

写真では残せない情景を描く

──yukkoさんの作品を見て、Tさんはどんなことを感じますか?
「この瞬間を水彩画に残したい」という意思ですね。yukkoさんが描くのは「育児あるある」というようなものではなく、振り返ったときに「あんなときもあったね」というシーンなんです。

「待合室」のような作品は、なかなか写真では残せません。カメラが捉えた写真って、実際に自分の目で見たものと微妙な違いがありますよね。画角や肌の色合い、ほっぺの丸み……。「待合室」には、私自身の目で見たときのような情景が描かれていました。

──それはとても嬉しいですね。
yukkoさんが水彩画で表現しているのは、子どもを見ている親の気持ちだと感じます。描かれているのは子どもなんですけど、子どもへの愛情とか、幸せを感じている気持ちとか。そんなyukkoさんの感性に惹かれています。

私とyukkoさんの子どもの年齢がそれぞれ近いこともあり、「いつかyukkoさんに私の子どもを描いてもらいたい!」と思うようになりました。

購入に至るまでのハードル

──実際に「オーダー水彩画」を注文されましたが、もともとTさんは絵画などを購入した経験があったのでしょうか?
いえ、全くありませんでした。美術館に行ってポストカードを購入する程度ですね。

我が家の場合、「アート作品を飾る」というのは、ふたつのハードルがあります。ひとつは自分の心理的なハードルで、もうひとつは夫のハードル。夫は特に、家の中にアート作品があるイメージを持てなかったようで、「オーダー水彩画」を注文するときは夫の心情にも配慮しました。

──最初にパートナーに打診したときは、どんな反応でしたか?
案の定、最初は難色を示していました。「玄関になにもなくて、寂しいんだよね」ということから冷静に話を始めたのですが、だんだん私の気持ちが膨らんでしまって(笑)。

最終的には、「オーダー水彩画」を注文することは決めて、家の中に水彩画を飾るかどうかは、yukkoさんの水彩画を見てから決めようということで話をつけました。

水彩画の到着日と時間帯は、事前にyukkoさんが教えてくれました。当日はテレワークで在宅していたので、「もうすぐ来るぞ……!」みたいな感じで、待ちわびていましたね。届いたら即開封して、yukkoさんの水彩画と対面しました。

(Tさんにお届けした水彩画)

兄妹の関係性という物語

──水彩画をご覧になったときの気持ちを教えてください。
なんでしょうね……。じわ、じわっと温かくなるような感じです。号泣とかではなく、ゆっくりと涙がこぼれてくるような。

なにより感謝したいのは、私が残したいと思っていた子どもたちの状況を、丁寧に汲み取って表現いただけたことです。

もともと私が素材として送ったのは、ふたりがハイハイして私の元に向かってくる動画でした。まだハイハイしている妹の姿を真似て、お兄ちゃんもハイハイしている。そのお兄ちゃんが、妹のことを気にかけている瞬間の絵になっています。

──確かに、お兄ちゃんが妹さんのことを見ていますね。
妹が生まれたとき、しばらくお兄ちゃんには戸惑いがあったんです。妹の写真を撮ろうとすると邪魔したり。きっと寂しさを感じていたのでしょう。

でも本人もだんだん慣れてきて、妹を思いやる気持ちが生まれてきました。だからこそ一緒にハイハイして、追いかけっこして、遊んであげている。この絵から、当時のそんな物語が伝わってきます。

ちなみに動画では、お兄ちゃんが妹の方を向いている瞬間って、ほとんどなくて(笑)。ふたりが私を見ている姿を描くこともできたと思うんですが、ふたりの関係性を感じるような瞬間を描いてくれて、本当に感動しました。

──パートナーの反応はいかがでしたか?
「似てる!」って驚いていました(笑)。「いいじゃん!」って言ってくれて、今では玄関に飾っておくのを快く認めてくれています。

実家から両親が訪ねてきたときも、水彩画が話題にあがります。yukkoさんの絵を褒めてもらえると、自分のことのように誇らしくなりますね。

オーダー水彩画」が心の拠り所に

──Tさんは、yukkoさんの「オーダー水彩画」を誰に勧めたいと思いますか?
やはり小さなお子さんを持つ親ですね。育児や家事などに追われ、「しんどさ」を感じている方は、ぜひyukkoさんの「オーダー水彩画」を体験してほしいです。

忙しく一日を過ごした後、私が帰宅して玄関の扉を開けると、ふたりが描かれている水彩画に迎えられます。「あったかいなあ」と、毎回思うんですよね。私にとって、心の拠り所のような存在になっています。


(玄関で家族を迎える水彩画)

──これからyukkoさんにはどんな作品を描いてほしいですか?
夫婦間のパートナーシップを描いてほしいですね。家族で生活している中で、普段はあまり意識していなくとも、日々生み出されるものってあると思うんです。夫婦の間で生まれるものを疎かにしてはいけないと思うので、ぜひ夫婦の「心に残したい瞬間」を描いてください。

あとは純粋に、yukko家はどんな夫婦関係なのかな?というのも気になりますので(笑)。楽しみにしています!

編集後記

オーダー水彩画を注文されるお客さまは、yukkoさんに「こんな絵を描いてほしい」という強い想いを持たれています。

その期待に応えるために、yukkoさんは「なぜこの写真・動画をもとに描いてほしいのか」と思考を巡らせ、目に見えない空気感もとらえながら絵筆をふるっているように感じました。

「まさかこの瞬間を描いてくれるとは!」というTさんの喜びを、多くの方に味わっていただきたいと思います。
(取材・文:堀 聡太)

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