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『みをつくし料理帖』の『八朔の雪』を読んで料理してみた♬

1・前置き –この感想は一部ネタバレを含みます!

この作品は、足立区立舎人図書館と共同で行った読書イベント「本と、おしゃべりと」(2020年10月18日開催)で紹介させていただきました。
「本と、おしゃべりと、」の様子は別の記事として書いているので、よかったら読んでください。

「本と、おしゃべりと、」 足立区立舎人図書館さんと共同開催しました!

この本を選出した方は、実は「本と、おしゃべりと」」に参加したいけど距離や日程の都合で断念された方です。厚かましくも「参加するとしたら何を紹介しますか?」と尋ねて、本作『八朔の雪』佐藤愛子著『血脈』を紹介していただき、コメントも預かりました。忙しい中、無理を言ってしまいましたが、おかげさまで紹介作品が多様になって、イベントも盛り上がりました。本当にありがとうございます。
(紹介された方からはシリーズ名である『みをつくし料理帖』とご指定いただいたのですが、10作を超えるシリーズものだったので、1冊目の『八朔の雪』のみ紹介しました。)

本作はドラマや映画にもなっており、シリーズ累計数百万部を売り上げている作品なのでご存じの方も多いと思います。

私は今回初めて読みましたが、主人公・澪(みお)を始めとするキャラクターが魅力的で、美味しそうな料理が次々と出てくることや、展開の速さ、シリーズものなのに1巻でしっかりまとまっている点などを面白く感じました。

読み手を楽しませるエンタメ性を持ちながらも、江戸を舞台にしたゆったりした情緒もあって、素直に好感が持てる作品です。

有名作品なのでストーリーや見どころは多くの方が語っているでしょうから、ここでは物語の詳細にはあまり触れず、今回のイベントのテーマである「小説の中のひと皿」にちなんで、作品に登場する料理を作ってみた話を中心に書きます。

2・夜中に「ぴりから鰹田麩」を作るヤバい展開

本作を紹介していただいた方に、「これにハマっていた頃は寝る前に読んでいたので、お腹が空いて苦労しました」というコメントをもらいました。
実は私も寝る前に本を読むので、まさに同じ感覚を体感💦
紹介された方からは、「翌日作ろうと思いながら寝て、起きたら忘れている」というオチもいただいています。

一方、私は読み終えた興奮もあって、何か一品作りたいという衝動に駆られてしまいました。
この時、夜中の12時を過ぎています

(;´・ω・)

普通なら、理性ある人なら、マトモな大人なら、ここで我慢して寝るのでしょう。
しかし、常識に負けないのが私の凄さ♬
夜中だけど、「ぴりから鰹田麩(かつおでんぶ)」くらいならいいんじゃね、と調理をはじめてしまいました。

「ぴりから鰹田麩」は澪が働く蕎麦屋の経営を助けたいという思いで、費用をかけずに売れる一品という発想で作られています。そのため、小説の中では出汁を取った後の鰹節を使うので、数日干して水分を抜く工程があります。しかし今回は手早く作るために出汁に使っていない鰹節と花かつおを混ぜたものを使います。
また、作中では砂糖より安いという理由で水飴を使っていますが、夜中に水飴を入手するのは難しいので砂糖で作りました。
調理と言っても、鰹節を鍋で酒、砂糖、醤油を絡めて温め、鷹の爪と七味唐辛子と白炒りごまを混ぜるだけなので10分で完成です♬

味見してみると…  確かに、美味しいです!!
ただし、単体で食べるものではなく、ご飯に載せて食べるか酒のお供にする料理として紹介されています。

こうなると、せっかく作ったんだから酒かご飯で楽しみたいと思うのが人情ってもんじゃねぇかい?(作品の江戸っぽい言葉に影響を受けています)

… しかし、この時点でほぼ夜中の1時

どうするオレ?

コロナ禍で活動量が減ったこともあってか、肉付きがどんどん良くなっているし、夜中にご飯を食べるのはさすがにマズイ……

ということで酒を飲むことにして、コンビニに買いに行ってしまいましたとさ💦
調理風景はマンガに書きました♬

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「読書に美味しいおつまみに酒、こいつぁ楽しいじゃねえかよぅ」と作中の種市口調になりつつ、自分がかなりダメな人間な感じもします

まあ、人生楽しむことが何より大事ですよね。


3・翌日は「牡蠣の時雨煮」と「ほっこり酒粕汁」も作った!

「ぴりから鰹田麩」は作ったと言っても材料を混ぜて火を軽く通しただけの10分料理。せっかくの料理小説なら他のメニューも作ってみたい、と思って翌日は二つのメニューに挑戦しました。
その模様はマンガにてどうぞ。

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「牡蠣の時雨煮」は作中で細かいレシピが無いので、ネット検索してkurashiruさんのレシピを参照しました。
https://www.kurashiru.com/recipes/c8b0ab33-efda-482a-aca7-8aadc4bde634
臭みが残らないように塩揉みや流水洗いをしっかりやったこともあってか、我ながら美味しく仕上がりました。

「ほっこり酒粕汁」は『八朔の雪』の巻末に詳しいレシピが載っているので、見た通り作れば大きく失敗することはないでしょう。

酒粕をすりつぶす以外は特に面倒な工程もありません。出来上がってから味の調整も効くので、醤油や味噌を入れすぎないだけ注意しましょう。

作中では失意の中にあった澪が、再起を賭けて作るのが「ほっこり酒粕汁」です。お話を思い出しながら食べると、味わい深さもアップします。

前日作った「ぴりから鰹田麩」を今回はご飯に振って食べると、食事としても良いバランスが取れました。

「ほっこり酒粕汁」は二日目に食べようと思ったら具に対して汁が少なかったので、豆乳で伸ばして食べました。もともと酒粕で白いので違和感もなく、残り物でも美味しく食べることができました。

4・本と、おしゃべりと、調理と、

『みをつくし料理帖』シリーズ第1巻『八朔の雪』、盛りだくさんの内容なのにさらっと読めて面白く、調理も楽しめる良い作品です。
10冊あるシリーズの1冊目ということで、今後の展開や出てくる料理も気になります。
一冊しか読んでいない段階ですが、澪が一兆庵の再興を目指して味を極めていく物語が軸になるのでしょう。若い女性が主人公ということもあって、今後は恋愛話も描かれるのは確実でしょう。相手は今のところ医者の源斉先生が濃厚でしょうが、10巻もあればいろいろなことが起こりそうですね。(最後まで読んでる人からすると何言ってんだコイツ? って感じかも…)


いずれにしても2巻以降もコツコツ読んで、感想を上げたいと思います。良かったらまた読んでやってください。

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