僕②

白磁に汚泥が飛散する
君はその瞬間を目に焼き付ける
遠い記憶が蘇って潮のように満ちていく
感傷に溺れているその様すら優雅で
僕の思いを継ぎ接ぎにした無菌の布で包みたい
知らず知らず深く深く夢想をしていたその一瞬に
君は思考の回路を断って憐れなオートマタになる
淡くいとけない光を失くしあまねく感情に蓋した君を
心の底から綺麗に思う

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