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川崎フロンターレの財務状況・収支構造を深堀りしてみた②

どうも、ゆっけです。

きっと多くの人が思っている世の中の何でだろ?やどっちが良いんだろ?に対して、何かしらの回答を出すポッドキャスト『INEチャンネル』を配信しているので、是非お聴きください〜

前回のおさらい

前回、川崎フロンターレの基本情報や貸借対照表をみて、
川崎フロンターレの財務状況は極めて健康、優良クラブだということが分かりました
今回は、損益計算書をみていきます

前回記事はこちらからどうそ↓

損益計算書(P/L)で収支状況をチェック

2021年の営業収入は69.82億円、営業費用は64.25億円、当期純利益は4.46億円
2017年からの成長率を見てみると、
営業収入は年平均8.0%、当期純利益は年平均14.3%の伸び率となっています
コロナ前2019年の当期純利益が5.62億円のため、コロナ前-1億程度の当期純利益に回復したことが分かりますね

コロナ元年の2020年を除き、黒字経営が続く

なお、他クラブの2021年度当期純利益をざっくりとご紹介すると、
2019年にJリーグで初めて営業収入が100億円を超えた神戸は0.47億円
2022年J1で記載時点首位を走っている横浜Fマリノスは0.04億円

下記グラフを見ると川崎フロンターレの黒字具合がいかに凄いかが分かっていただけるかと思います

コロナの影響を受け続け、経営状態を回復出来ない赤字クラブも多い中、
川崎フロンターレの黒字度合いが際立つ

それではここから損益計算書で見た営業収入と営業費用(支出)に関して、深堀していきましょう(多分長くなります、、、)

営業収入の深堀

サッカークラブの営業収入は、「入場料収入」「放映権収入」「商業収入」にカテゴライズされます
以前詳細を書いたので、詳細に知りたい方はこちらからどうぞ↓

これを踏まえて、川崎フロンターレの収入をみたのが下のグラフ
項目ごとにみていきましょう

入場料収入⇒入場料収入、放映権収入:Jリーグ配分金、商業収入:スポンサー収入、物販収入、アカデミー関連収入、その他⇒その他収入

スポンサー収入

これを見るとスポンサー収入が大きく上伸びていることが分かります
金額にすると、2016年から2021年にかけて、10億円増加
要因は正直不明ですね
スポンサー企業数が増えたのか、1社あたりが支払う金額が上がったのか
川崎フロンターレが開示している『パートナーシップのご案内』を見る限り、2018年⇒2019年にかけて、ウェア広告としてユニフォームの鎖骨部分が追加されたみたいですし、スポンサー数が増えた可能性はあると考えています
ちなみに鎖骨ユニフォームのスポンサー料は、1.5億円

『2021年シーズンパートナーシップのご案内』より

入場料収入・物販収入

コロナの影響により、入場者数が減少していることを前回の記事で確認しましたが、それに伴い入場料収入も減少
コロナ前の2019年は10億円あった入場料収入も、2021年は5億円を切っています
早く入場者数が戻ってくると良いのですが、、、
一方で物販収入が増加しており、2021年はコロナ前より高い9.96億円
武蔵小杉駅に新しく出来たカフェのお陰だったりするのでしょうか

Jリーグ配分金

Jリーグクラブの収入を語るうえで欠かせないのがDAZN参入による放映権の増加でしょう

DAZNは、2017~2026シーズン(10年契約)約2,100億円という契約を締結し、放映権を取得しました
さらに2020年に、契約の延長を発表しています
2017~2028シーズン(12年契約)約2,239億円とのこと

与太話を少しすると、もともと放映権を取得していたのはスカパー
しかしDAZNの巨額な放映権料を前に散ったとされてます
スカパーは当時メインコンテンツの一つであったJリーグ放送を失って、だいぶ大変だったみたいです

本題に戻りましょう
DAZNの放映権料によりJリーグは潤い、もちろん川崎フロンターレの財源にも潤いをもたらしました
2016年2.2億円に過ぎなかった放映権は、2021年は7.2億円にも昇っています
収入に占める割合で見ても、2016年は全体の5.2%ですが、2021年は10.4%
になってます

営業収入における各収入項目の内訳

その他収入

こういう集計の時って本来その他は無視される運命ですが、さすがに2021年収入の1/4を占める収入源を無視するわけにはいかない
なんで前年度から7億円弱伸びているのか
その他収入ってなんだと調べたところ、なるほどとなりました
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その他収入
①賞金
②移籍金収入
③サプライヤー契約収入
④ファンクラブ・後援会収入
⑤イベント出演料
⑥その他
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間違いなく②移籍金収入です
21年は三苫、旗手、田中(碧)と海外に続々と移籍しています
これによる収入が4.63m€、日本円にして6.3億
恐らくこれが収入増の要因かと思われます
※旗手は22/1/1に移籍しているため、会計処理として22年に含まれているか怪しいです、、、すみません

TransferMarketより


営業費用の深堀

長くなってしまったので、ここから次回にします!

出所

最後に出所をまとめておきます

公益社団法人 日本プロサッカーリーグ『Jリーグ クラブ経営ガイド』

TransferMarket

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