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全世界から注目の「DevProtocol」とは?OSS開発者やクリエイターが持続的に成長できる画期的な仕組み

素晴らしい製品を生み出していても、ボランティアや僅かな収支でしか成り立っていないということは世の中にたくさんあります。たとえば、オープンソースソフトウェア(OSS)。技術的価値がありさまざまな分野に使われているのに、ビジネスモデルが成り立ちにくく、持続的な成長に課題があると言われてきました。

しかし、この問題の解決に光をもたらしそうなのが、クリプトを使った経済をベースに新しいビジネスモデルが作れるというサービス「Dev Protocol」の仕組みです。独自の通貨をつくり、インフレ率や為替を利用して、上がった通貨の価値を開発者と支援者に還元します。

ただこの仕組み、理解するのがちょっと難しい…。やっと最近わかってきたので、初心者の視点から、Dev Protocolがどのように動き、そしてどのようにさまざまな問題を解決するのかご紹介します。きっと社会構造に変化をもたらす素晴らしい仕組みということがおわかりになるかと思います!

Dev Protocolとは

OSS開発者やクリエイターに継続的な支援が行えるよう設計された、持続可能性を実現するオープンソースの分散型ミドルウェアのことです。

DevProtocolが発行している暗号資産「Devトークン」をつかって支援者はOSSやクリエイターのプロジェクトを支援します。

寄付であれば支援者は所得が削られるだけですが、DevProtocolではステーキングという仕組みを使い、利息が戻ってくる仕組みにしています。「預ける」という意味をもつこのステーキングとは、ある意味定期預金と似ています。支援者はプロジェクトに資金(Devトークン)を一定期間預けることで、利息がつき、それをプロジェクトを立ち上げた開発者やクリエイターとわけることができます。

Dev Protocolの成り立ち

Dev Protocolの創業者の1人が、2015年に伝統建築の会社から後継者育成の相談を受けたのがそもそもの始まりとされています。100年後の国宝を生み出すほどに高い文化的価値の仕事を手掛ける会社にも関わらず、それに見合う経済的な価値を受け取っていない状態、つまり文化的価値と経済的な評価の大きな隔たりに課題を感じたと言います。

その後、伝統建築が抱えている課題と、高い技術的価値があっても経済的に評価されていないOSSが抱える課題との共通点を見出し、マーケットの不均衡を正すエコシステムの構築の構想が始まります。2017年にジョインしたCTOが中心となってプロトコルを使った課題の解決に着手し、2020年1月にDevProtocolが生まれました。

※ <こちら>のpodcastで詳しく創業者のお二人が解説しています。

なぜ継続的に支援が行えるのか

Dev Protocolには数多くのプロジェクトがあります。サポーター(支援者)はStakes.comで支援したいプロジェクトを探し、お気に入りプロジェクトを見つかったらDevトークンという暗号通貨をステーキングします。

サポーター(支援者)が増え、多くのプロジェクトに支援が集まると、Devトークンの供給量が増え、インフレーションが起きます。しかし、ステーキングで暗号通貨をロックすることで、市場に出回るトークンが減り、インフレが抑えられ、結果的にDevトークンの価値があがります。つまりステーキングが増えればDevトークンの価値があがるということになります。この仕組みを利用し、ステーキングした支援者にデポジット期間終了後に利息をつけることができるのです。

Devトークンをステーキングするということは預けている状態のため、減ったり無くなったりすることはありません。預けている間は支援者と開発者双方に利息が入ります。しかし、引き出してしまうと、利息は止まります。つまり、支援者にとっては預けていたほうがお得となります。このことが継続的な支援を実現たらしてめているのです。

利息はどれぐらいか

支援者とクリエイターの利率は2021年6月12日時点で、それぞれ年率30%で付与されているようです。(公式のヘルプページより)定期預金の利率と比べると、DevProtocolがいかに高いかわかります。

ソーシャルトークンとは

DevProtocolには、ステーキングに使われているDevトークンのほかに、クリエイター自身が発行するトーキン「ソーシャルトークン(Dev Protocol上ではプロパティトークンと呼ぶ)」があります。

Devトークンは、会社を設立するときの貸付のようなものであり、ソーシャルトークンは株のようなものと考えるとわかりやすいようです。ステーキングをしてもらうだけでクリエイターや開発者は報酬を受けて収益化することができ、ソーシャルトークンをプロジェクトの共同運営者やチームメンバーとシェアすることが推奨されています。つまり、中央集権的なものから分散された組織へと置き換えることが可能となります。

世界中から評価を受けているDev Protocol

2020年の1月にDev Protocolをローンチし、6月にStakesSocialというはじめてのDaPPSをリリースしたところ、OSSにステーキングできるアイデアが話題を呼び、世界中からユーザが大幅に増加。当時、Uniswap(分散型取引所)では取引量世界7位になったそうです。2022年1月時点で、トークン化されているオープンソースの数は1700ほどとのこと。

今後、よりDevProtocolがスタンダードになる世界を目指しているそうです。クリエイターが創作活動をする際に、「Dev Protocolを使って仲間を集めて共同作業をしよう、そして世界中から応援を集めよう」そんな動きが世界中で出てきてほしいとpodcastの番組内でお話されていました。

まとめ

DAOやDeFi、webのことを調べるにつけ、いかに現在の経済が一部のひとだけが利益を得る仕組みになっていたのかがわかります。そして同時に、適切に評価されるべきひとたちが、相応の報酬を受けられていない構造であることがわかりました。

DevProtocolの素晴らしい点は、この従来の社会構造をフェアなものにしたいという思いが起点で、彼らだけが利益を得ようとして始まったわけではないということです。それがこうして世界から注目を浴び、実際にOSS開発者の基盤となりつつあるのは嬉しいことです。ますますこの動きが広まり、社会的意義のあるプロジェクトがもっと立ち上がり、持続してほしいと思いました。

※ 取引にはガス代がかかるのでご注意を!投資はリスクがつきものです。ご自身でご判断を!

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