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夢を諦めた私と、諦めなかった彼女


インスタなんか見るんじゃなかった。

昨日何気なくインスタ開いたら、以前の知り合いの、成功したキラキラした投稿が出てきた。

彼女は、数年前の私が喉から手が出るくらいに欲しかったものを、いとも簡単に手に入れていた。(ように見えた)

私は打ちのめされた。

しばらくの間そのことで頭がいっぱいになり、他のことが手につかなくなってしまった。

そしてそのことをとても情けなく思ったのだった。

確かにこれは彼女の実力、そしてたゆまぬ努力の結果だろう。

出会った頃から、彼女には他の人にはない魅力というか、キラリと光るものを感じていた。

華、とでも言うのだろうか。

彼女と私が並んだとき、スポットライトが当たるのは明らかに彼女の方だったのだ。

それは、私には欠けているものであり、どんなに逆立ちしたってかなわないものだった。

そして、私は自分に才能がないことを悟り、見切りをつけて、その世界から身を引いた・・・

そんな私に、何かを言う資格はない。

いや、嫉妬する資格すらないのだ。

だって、もはや生きている世界が違う。

そもそも同じ土俵で戦ってすらいないではないか。

彼女は彼女。自分は自分。

うらやましがる必要なんてない。

私は今、彼女とは違う世界にいる。

自分が戦うべき場所、そして勝てる可能性がある場所にいるのだ。

「自分が勝てないフィールドでは戦わない」

それでいいじゃないか。

と自分に言い聞かせ、深呼吸した。

(終)

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