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詩 宵々

宵の間に暗む月
布団に染まる夜の青

魚の泳いだ跡の砂
風の通った後の部屋

右の左を抱き締めて
左の右を掻きむしる

心の水を淵に溜め
静かに雫を垂らし往く

この体躯と水に月を映し
呑みて謳いて忘れ逝こう

布団に染まる夜の青も
宵の間に暗む月も

現世の泡沫と見紛うのみと
いで謳えや今日の一日ひとひ

愛しき人よ

2022.8.18 宵々
雪屋双喜

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