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詩 又三郎

このテーマは私の中で強すぎるかもしれないが。


又三郎

風が風を引っ張ってくる
口笛に背を向けて風を待つ

どっ
と吹くそれは言葉が主観へと変えていく


風が風を押しやっている
カーテンの揺らぎを視界の端で確かに捉える

どっ
と吹くそれは心の毛を逆立てていく


風が風を待っている
又三郎

どっ
と吹くそれは私を置いて去っていく

風が風を
又三郎

どっ
と吹くそれは私を置いて去っていく

又三郎

確かに今
風を待っている

吹き抜ける風を懐かしく目で追う
又三郎

全てを
沈んだ砂のような言葉が主観へと変えたものを
全てを

吹き飛ばして持っていけ

どっ
と吹いていけ

2022.9.20


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