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詩 夢見る人の丸めかた

アラームをスムーズにするなら
スムーズにする前にもう一度夜の匂いを

要らないものを整理するなら
要るものだけを持ち出せばいい

たけのこもきのこも食べなければ
戦争なんて言葉は知らなかった

月曜日に家から出なければ
火曜日を無為にすることを知らなかった

できることなら教えてほしい
どれ位の温度を保てば
私はずっと雪の中を歩いていられるの

どれ位の涙を枯らせば
私はずっとこの世界で笑っていられるの

包んで仕舞って送りつけて
できるだけ乱暴に扱ってください

増えた傷の分だけ
たぶん自分を気分で愛せる
その傷を見た寝起きの私は

今日の私を覚えているだろうか

砂に書いた不安もカーテンの波に忘れられる
窓の外は少しだけ
眠たさを冷ましてしまう心地がした


2022.9.7
眠いときはその眠さを言葉に託します
雪屋双喜

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