見出し画像

詩 カシオペア








ねぇカシオペア
話をしよう
あのね

海の底には星があって
そこは水が損ねた光の果ての淵
はっと煌めく時間がある

僕は蛍を飲み込んだ
海月となって今夜を渡る
見下ろした地面に貴方を見つけて

おーい と大きく
呼んでみる
おーい と何度も

重ねた舌が冷たいのは
夢を見たあとの私だから
くるくると貴方は笑う


ねぇ貴方
教えてください
僕は今もあの時と同じ

人の形をしていますか


星のように海の底で
海流に乗っていつか
貴方の帰りを待っている

貴方はきっと私を忘れてしまった後でいて
僕は小さな星になるまでの少しの間
白い海の底を楽しむから

それまでどうか笑って待ってて




カシオペア
2022.8.31
雪屋双喜


贖罪の詩です


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?