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2022年1月の記事一覧

詩 #27

星が見える空を 私は夜空と呼びました その響きが気に入って 何度か口に出してみる 夜空 夜…

雪屋双喜
2年前
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詩 #26

咲き誇る冬の花 その香りも届かないほどに ひたすらに坂を漕ぎ進む いつか百日紅が咲いていた…

雪屋双喜
2年前
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詩 #25

段ボールが届いた 玄関の前に置かれたそれは たぶんだけど私宛だ 白く小さな段ボールは 普段…

雪屋双喜
2年前
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詩 #24

コップに水が一杯入っている それらは互いに透明で 触れあって初めて互いを知らせる 私はそれ…

雪屋双喜
2年前
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詩 #23

刃と刃とを向け合わせて それを脇からとんっと止めてやれば 紙を切るには便利でしょう? 針と…

雪屋双喜
2年前
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詩 #22

今書く文章が、言葉が、世界で一番輝いている。 そう純粋に信じられなくなったのは、 むかし…

雪屋双喜
2年前
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詩 #21

父が母に送ったバラは一本であったと聞いた だから 一本のバラを誠実に送ることができるような そんな人になりたいと素直に思った 東京に雪が降った あの頃と同じ純白が舞った 寒さを楽しむ少年が 母に雪を持たせながら走り回っている 大通りをゆっくりと転ばないようにと歩いて行った 父と母が大学時代の先輩後輩であると聞いた いつから交際したのか どちらが想いを告げたのか それはまだ教えてはくれない 冬休みがもう直ぐ終わり 学生たちは街から学校へ 大人たちは家から どこかへと 電車

詩 #20

地面の内から沸き上がり ふと地表へと現れて 止まらず止まらず 駆け上る それを見かけた中く…

雪屋双喜
2年前
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