見出し画像

手の内が知られた今、インハウスエディターができること

以前このようなツイートをしました。

スマホを使っていると日々色々な広告を目にしますが、化粧品や健康食品の「初回990円!」という広告を見ても、「定期購入契約が前提で、解約難しいんでしょ?」と警戒し、すぐに飛びつかなくなりました。本当によさそうなのか、一回落ち着いて情報収集することも当たり前になっています。

ふと、BtoB領域においても同じことが起こっているような気がしました。「資料ダウンロードをしたらすぐに電話がかかってくる」「展示会で名刺渡したらメールが山のように届く」ようなことです。

本当にいい資料で、内容がめちゃくちゃ気になったとしても、「電話がかかってくるかもしれないストレス」で、私自身も個人情報入力するのが少しおっくうになっています。
悪印象をもたれるような一方的なコミュニケーションは嫌われるし、さらに、その「しつこいアプローチ」が口コミとして残ってしまう時代です。(実際に対応する皆さんはこれらを踏まえ、温度感、適切なタイミングなどをはかりながらご対応されていると思います。)

こちらの手の内が知られていたとしても、よい関係を築き、サービスを知ってもらい、検討にあげてもらうために。インハウスエディターとしてできることはなにか、考えました。

有益な情報、新たな価値観などを提供し、地道なコミュニケーションを積み重ねる

地味なことをいいます。地道なコミュニケーションを積み重ねる力がいると思っています。
そもそも、顧客の課題と自社のプロダクトの価値を結びつけるまでのコミュニケーションには時間がかかります。初めてサイトを見て「お問い合わせ」するのはレアで、サービス名さえ覚えてもらえているか怪しい。

BtoBの場合、顧客は時間をかけて検討し、予算によって検討できるタイミングもある程度決まっています。「いざ」というときにいい印象を持ってもらったまま想起してもらうためにいは、いきあたりばったりなコミュニケーションではなく、地道に、丁寧にコミュニケーションを重ねる必要があると思うのです。

また、接点をもつ前段階の顧客には、今までの価値観に新たな気づきを加えるようなコミュニケーション、顧客の日々の業務に寄り添えるようなコミュニケーションにより、共感や好感をもってもらうことも意識したいです。

ベイジさん発信の記事、BtoBの購買活動は本当に論理的・合理的か? でも、以下のように書かれています。

BtoBで重要視される情緒性とは、信頼感や安心感といった類のものです。この信頼感や安心感を抱かれる可能性を高めることが、BtoBにおける情緒的判断の対応策になりえます。

BtoBの購買活動は本当に論理的・合理的か?

論理性と情緒性、双方のバランスがとれたコンテンツを制作する

コンテンツ制作に注力できる環境なら、以下の2点に対して注力するといいのではないかなと最近考えています。

  1. 顧客のフェーズに合わせて必要となるコンテンツの仮説を立て、制作、網羅性を上げていく(論理的な判断を促す機能要件を表現したコンテンツ)

  2. 顧客の日々の業務に役立つ&新たな気づきになるようなコンテンツの仮説を立て、制作し、よい関係づくりができるよう積み重ねる(情緒的な判断を促す情緒要件が表現されたコンテンツ)

さらに、必要となるコンテンツの全体像を踏まえて、よりインパクトが大きそうなコンテンツを見定め、優先順位も立てて作れるようにしたい。色々動いているところですが、なかなか難しいので、仮説と行動あるのみ…ですね。
※当然、インハウスエディターとしてできること以外に、マス広告や展示会での表現方法など、さまざまなアプローチがあると思います。

「お客さまの声」は、論理性と情緒性を兼ね備えたコンテンツになる

個人的には、お客さまの力を借りて作ったコンテンツは、論理性と情緒性双方を兼ね備えていると思います。そこにはお客さまの「熱」「ストーリー」があるからです。先程紹介した記事にも、以下のような記述があります。

BtoBマーケティングのマーケティング施策として、オウンドメディアはもはや珍しくありません。安定的なリード獲得を狙ってSEOを重視した運用をしているケースも多いですが、オウンドメディアを上手に使えば、情緒購買において有利な立場を築くこともできます。そのために必要なのが、「エモーショナルなBtoBコンテンツ」です。

BtoBの購買活動は本当に論理的・合理的か?

お客さまの声として代表的なコンテンツといえば「導入事例」です。さらに、その声を活かしたeBook、セミナー開催、動画制作、コミュニティから発信されるコンテンツなど、かなりさまざまな範囲でお客さまの声を発信できます。
サービスを育ててくれているのは、お客さまです。そのお客さまの声をとおして、実現したい世界、メッセージを届けられたら、サービスの理解が進むだけでなく、共感してくださるお客さまが増えるのではないでしょうか。

SaaSはお客さまとの長期的なおつきあいが必要で、売って終わりではありません。「何ができるか」という目の前の機能を推すだけでなく、「なぜ長くお客さまに活用いただけているのか」その価値も、もっと伝えなければと思っています。

(いつも取材協力、コミュニティへの参加など、さまざまな形でご協力いただいているお客さまには、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。)

パッと見、コンバージョンから遠そうなコンテンツは、後まわしにされがちです。ですが、これらのコンテンツは積み重ねることによって簡単にマネできない力に変わると思っています。
それを信じて、今日も積み重ねていこうと思います。(HUNTER×HUNTERでいう、1日1万回、感謝の正拳突きみたいなものですね)