GitLabに学ぶ世界最先端のリモート組織のつくりかた 第二部読んだまとめ


リモート組織を作るプロセス

必要な以降プロセスは8つ。基本的には全てを実行する。
①リモート組織に関する認識を改めて明示する
②リモート責任者を任命する
③ハンドブックを制定する
④コミュニケーションガイドラインを明示する
⑤ツールの種類を最低限に抑える
⑥経営陣のデフォルトをリモートにする
⑦リモート作業環境を整備する
⑧インフォーマルコミュニケーションを設計する

①リモート組織に関する認識を改めて明示する
リモートは補助と考えない。全員の共通認識となるようにする。そのために目につくところに何か書いておくと良い。
なし崩し的に「オフィスワーカー」と「リモートワーカー」の対立構造が生まれる。
転職希望者はこういった空気には敏感に察知する。

②リモート責任者を任命する
最終的な意思決定権を持つ者を明確にする。トラブルは確実に発生するため、専門家が全体設計し、改善を行いながら推進していく必要がある。
「同意しない、だがコミットする(Disagree and Commit)」をメンバーは基本的に果たす。ただし意見は示す。
双方が意見を述べた上で責任者が意思決定をしたというプロセスがあれば納得感もでてくる。

③ハンドブックを制定する
GitLabHandbookが参考・土台にもなる。3000ページあるけどね。
ただ1箇所に集約される。
上司への意見を述べる際もハンドブックを頼りにできる。QandAのような業務からも大部分開放される。
ハンドブックの更新は責任者がマージ権限を持つ。

④コミュニケーションガイドラインを明示する
無自覚に誰かを傷つけたり、FBのように避けられがちな手間のかかるコミュニケーションを適切にすることが目的。

⑤ツールの種類を最低限に抑える
導入していないメンバーがアクセスできないという阻害要因があったりする。オンボも必要だったりする。
VPNなど複雑なものが必要ならマニュアルを用意しておくと良い。

⑥経営陣のデフォルトをリモートにする
従業員へ「本気でリモートにするよ」という強力なメッセージになる。
経営陣がオフィスに止まるとリモート組織はほぼ失敗する。意思決定の透明性がなくなる。
ハンドブックファーストの土台がなくなる。

⑦リモート作業環境を整備する
オンライン会議で違和感を抱くと邪魔になる。
家族が映り込むなど、従業員同士の相互理解も必要。

⑧インフォーマルコミュニケーションを設計する
業務と関係ない非公式コミュニケーション。1on1や家族などをテーマに話す、集まって瞑想、年一でオフラインで集まるなども。
相互理解・親しみがパフォーマンスに影響を与えることを期待。

リモートワークにおける問題点

リモートワークで発生する課題
・働きすぎる(実はサボるではなくこちら。この結果燃え尽き症候群とか)
・テキストコミュニケーションになれない
・孤独感
・仕事とプライベートの境目が曖昧になる
・新規メンバーが馴染む難易度が高い
・バーンアウト(燃え尽き症候群)

リモートワークの問題への対策
孤独感などの対策
・1on1
・インフォーマルコミュニケーションの場
・労務管理
・人間工学に基づく作業環境など環境整備
・家族までを対象にした福利厚生
バーンアウト、働きすぎの対策
・on, offの隙間にウォーキングを推奨する
テキストコミュニケーションになれない対策
・トレーニングガイドを用意
・SBIモデル(「いつ・どこで」「具体的に何があったか」「それがどんな影響を与えたか」)
・クルーシャル・カンバセーション(センシティブなテーマを対話するトレーニング)

ハイブリッド独自の問題
・情報アクセスへの格差
・キャリアと能力開発の機会の格差
・オフィスワーカーに対する劣等感
・罪悪感
・見せしめリスク(どうやってリモートの権利をえたの??みたいな)
・パフォーマンスのプレッシャー
・カルチャーに置いていかれる
・オフィス特典が受けられない

ハイブリッド問題への対策
・必ず議事録は残そう
・意思決定の場をリモートへ移す
・オフィスを縮小して物理的に出社人数を減らす
・オフィスの設備を縮小する

オフィス回帰への欲求にも対処する必要がある。
数日は出社した方が効率的となっても、基本リモート組織が定着した後にするといい。オプションとして。
孤独感・パフォーマンス低下することも回帰したくなる大きな原因だが、これは「リモートが悪いではなく、仕組みやメンバーの成熟度の問題」と捉える必要がある。
移行してすぐは非効率が発生することは説明した上で「1年はコミットする」など、すぐに覆さないという意思を伝えるといい。

読書会をおこなった感想

第二部が対象だった読書会を行った。
これらを全て実践するのはそもそも前提が違うし、この本では一貫して
「ハイブリッドワークは悪」
みたいなスタンスだが、逆に「ハイブリッドワークが良い」という論文も存在はする。前提がそもそも異なるため、全てを鵜呑みにするのは良くない。
自分たちで咀嚼して、取捨選択をする必要は何事にも必要。

同意しない、だがコミットする(Disagree and Commit)
この言葉の人気が高かった。確かにどんなことにも言える気はする。組織である以上、ある程度を許容することは必要。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?