旅立ちの季節に
何気ない、でもじんわりと心に残るエピソードを読みました。
川崎フロンターレの公式インスタグラム。クラブマスコットの「カブレラ」が、ときには選手への愛に満ちた、ときにはファン・サポーターの声を代弁するようなメッセージを、毎回結構な長文で届けてくれます。
大卒ルーキー、松井蓮之選手の誕生日に寄せたメッセージの中で触れられた、新体制発表会が終わった後の松井選手とご家族のこと。観客が帰った後、ステージで家族写真を撮ったそうです。
想像するに、きっと本当になんでもないような場面だったと思うのです。いかにも感動を誘うシーン、というのでなく。でもなんだか心から離れなくて、この部分を何度も読み返しました。
お母様、目に焼きつけたかったのでしょうね。そして、その視線に気がついた(カブレラに教えてくれた)方がいるという事実もなんかいいなあって。
このエピソードがこんなに心に残るのは、この話を今読んだからというのもあるのだと思います。
旅立ちの季節を目前に控えた今。そして、次男の幼稚園生活も残すところわずかとなった今だから。
3年しかないうちの2年を大きな制限の下で過ごした幼稚園生活でした。
登園すらできなかった3か月間。再開されてからも、多彩だった活動の多くは中止になりました。
できることを先生方が一生懸命考えてくれたおかげで生まれた新しい活動もあったけれど、開催できた既存の行事もほとんどが内容を縮小したものでした。そんな縮小された行事でさえ、ひとつ終わるたびに「無事にできてよかったよね」と親同士で安堵しあっていました。
耐えても耐えても穏やかに過ごせる未来が描けない日々。さらに現在の世界情勢。不安は止まりません。
見送られる背中の先には明るい未来だけがあってほしい。
旅立つ人すべての旅立ちが、長く続く輝かしい人生への旅立ちであってほしい。
心からそう祈ります。
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