戦国時代の自動操縦 #毎週ショートショートnote
魑魅魍魎渦巻く京の夜。
「つまらんな」
そう言いつつ、お猪口の酒を一気に煽った。
めぼしい相手は既に討ってきた。
残りはどう考えても有象無象。
「残るは雑魚だけか…」
つぶやきながら、お猪口へ酒を移す。
せっかく京都で一晩過ごすのに、来客の一人ぐらいあってもいいだろうに。
とはいえ、そこら辺の雑魚じゃつまらん。
…叶うならアイツがいい。
何をやらせても、思った以上の戦果を持って返ってくる。
おそらく、残りの有象無象を討つだけなら、アイツに任せれば終わる。
文武両道。
剣術に関しては、言うまでもない実力。
最初に鉄砲を用いた戦術を考えたのも、アイツだ。
そういえば、アイツを造ったサルが言ってたな。
「この木偶には、"ジンコウチノウ"により君主の願いを叶えるように"プログラミング"してある」
と。
そんなことを思い出しつつ、お猪口を口に持ってきた瞬間。
「敵襲!!」
警笛と断末魔の音が寺に響き渡った。
来たか、光秀…。
久々だな。真っ向勝負は。
俺は相棒の刀を携え、来客を待つことにした。
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