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「ローカライズ」と「翻訳」は全くの別物! 海外WEBマーケの基本

徳田祐希(以下、徳田) こんにちは、世界へボカンの徳田祐希です。弊社は、英語圏の越境ECに特化したWebマーケティングを得意とする会社です。
 
本日は、海外BtoBマーケティングを行なう際に調査や戦略立案がいかに重要か、弊社戦略チームのディラン・ロバートソンとともにお話していきます。
 
ディラン・ロバートソン(以下、ディラン) よろしくお願いします。初めてWEBプロジェクトに参加したのが1995年、日本との付き合いは30年になります。これまで日系企業の海外進出、外資系企業の日本進出など様々なプロジェクトに携わってきました。

競合を知り、ターゲットを知る。


徳田 われわれにご相談いただく企業さまは、十分な調査や戦略立案を行なわずに海外進出し、結果として営業がうまくいっていないケースが多いです。

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また、現地の代理店様に営業を任せていたり、限られた海外営業チームで営業しており、サイトやマーケティングチームにきちんとフィードバックされていない企業さまも多いですね。
 
ご相談をいただく企業さまのWEBサイトを見ると、日本語サイトをそのまま翻訳した英語サイトというケースが多いですね。そういうサイトはリードが獲得できなかったり、リードの質が低かったりと課題を抱えています。
 
ディラン そうですね。日本企業はどうしても最初の一歩として、既存の国内向けサイトのミラーコピーを作ろうとします。そこが、失敗原因の一つですね。 
 
事例としては、日本の某大手クラウドホスティングプロバイダーの会社です。アメリカに進出を考える場合、競合はAmazonさんやMicrosoftさん、Googleさんになります。競争の激しい環境で、乗り越えるにはよほどの技術の強さ、もしくは価格優位が必要になります。

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徳田 実際、AmazonやMicrosoftに勝つのはなかなか難しいですよね。
 
ディラン サイトの見せ方・質が競合以上のものじゃないと、良い印象は持たれないですね。
 
徳田 プロダクト自体が海外の競合より優ってないといけないですし、Webの見せ方でも伝えて行かなければいけない。
 
ディラン ある事例では国内では物凄く強い、ネームバリューもあって有名な会社さんが、国内で順調すぎるため「英語にしたら世界中に売れるのではないか」と思い込んでしまったケースがあります。

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英語圏のマーケットは、日本語のマーケットの10倍くらいあります。でも、「売れるのが当然」と思い込んでしまった。

大事なのは競合を知ること、ターゲットを知ること。そのためには、オンライン/オフラインのリサーチ双方が大事です。可能なら出張で現地まで行き、現場の人とちゃんと会って話をすること。それで、ようやく全体的な雰囲気をつかめると思います。

ボカン流・ヒアリング5つのポイント

徳田 弊社では、海外の市場調査や競合調査をしていくうえで必ずクライアントの海外営業担当、現地の代理店の担当の双方にヒアリングを行ないます。ポイントは、主に以下の5つ。
 
1. 受注要因と失注要因
2. 売れている営業担当者のセールストーク
3. 既存のサイトに欲しい情報
4. 顧客像(顧客が一体どういった方なのか?)
5. 顧客の購買決定要因

 
例えば、売れているセールスマンのトークがあったとして、彼のセールストークの内容がきちんとWEBサイトに盛り込まれているか。

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高付加価値の商材を扱っているクライアントさまに多いのが、現地の代理店に営業を任せていると価値を十分に伝えきれず、失注してしまうケースです。代理店が十分に説明できない部分をWEBサイトでカバーすることで、リードの質を上げることができます。
 
また、顧客へのヒアリングも重要です。協力的な顧客がいる場合、クライアントの先にいるエンドの顧客にお願いして、「なぜ選んでいただけたのか」をヒアリングします。
 
競合調査については、デスクトップリサーチを中心に、顧客の購買決定要因を元に、

・競合がどういったスペックの製品を取り扱っているか
・最低発注量はどの程度なのか
・最低発注可能価格はいくらからか
・どういう訴求で展開しているか

を調査します。

「分かっていないことを認識する」のが第一歩

ディラン クライアント企業さまは、競合がどういった特性か、自社が顧客にどういった価値を提供しているか、差別的優位性が何なのか、こういう部分を把握されていないケースが多いです。「分かっていないということを認識する」というのが最初の一歩です。
 
徳田 調査をした結果、IBMやAWSが競合だったことが分かったように、「この市場は厳しいぞ」というケースもあります。そういうときの打ち手は、ターゲットを変えるかプロダクト(製品/見せ方)を変えるかです。ディランは、前職でもそういった経験をされていたんですね?
 
ディラン そうですね。
 
・価格を下げても勝てなかった
・ブランドパワーがなかった
・競合のマーケティング予算が2、3桁違った
 
こういうことは現地に行って、雰囲気をつかんでやっと理解できました。
 
対策としてはターゲットをアメリカの現地企業ではなく、「アメリカに進出しようとしている日本企業」に変えました。結果、その会社でないと提供できない「日本語での強力なサポート」などが新しい付加価値となり、アドバンテージとなりました。

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ローカライズと翻訳はこんなに違う

ディラン もう一つの事例は、日本のエンタープライズ企業向けソフトメーカーです。何十年もこの製品を継続しており、世界40カ国で使われています。
 
しかしながら、40カ国で使ってくださっているお客様はすべて日本企業だったんですね。
 
既存WEBサイトを英語に翻訳したミラーコピーは提供しましたが、現地の購入決定権を持っている責任者を説得するような見せ方ではなかったです。
 
これが、翻訳とローカライゼーションの違いですね。翻訳は既存の日本語サイトのミラーコピーを作ること、ローカライゼーションとはローカルの人が読んだり見たりして心に響く内容にすることです。

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徳田 コピーライティングみたいな?
 
ディラン ボカンの場合はネイティブのコピーライターが何人かいますが、単純にその人の好みに合わせた自然な言い方に変えたりはしません。リサーチ結果に基づいた、ローカライゼーションを行なっています。
 
徳田 お客様に頂いた原稿をそのまま翻訳するのではなく、内容を理解してライティングしたり、調査に基づいて加筆を提案したりしています。

戦略を決め、最後までローカライズをやりきる。

ディラン ボカンの強みは、日本企業の場合ですと
 
・全て国内で解決できる
・コストがリーズナブル
・日本語対応が完璧にできる
・国内でフェイストゥフェイス
 対面で会って話ができる

 
などだと思います。
 
徳田 僕らみたいなところに頼むと、現地の代理店だったり海外営業担当者とも話ができるし、日本語でも話ができるし、コミュニケーションがスムーズにいきますよね。

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結構、戦略ってお客様と共に目指すポジション(方向性)を見つけて、一緒に議論していかないといけないから、言葉の壁はめちゃめちゃ重要ですよね。
 
ただ英語を話せるというだけではなく、自分たちも腹を割ってしっかり話して方向性も定めていかないといけないですね。少しの言葉の認識の差で後々、大きなコストがかかってしまうこともあります。
 
ディラン 既存の日本語サイトのミラーコピーを作ることは絶対にやらないでください。必ず失敗します。
 
当社の強みは、きちんとリサーチして方向性を決め、戦略的なアプローチをかけて、ローカライゼーションを最後まできちんとやることです。それによって結果が全然変わってきますね。

まとめ

徳田 本日は海外BtoBマーケティングを行なう際に、なぜ調査・戦略立案が必要なのかをディランとともにお伝えさせて頂きました。
 
1.海外進出する際は必ず市場・競合調査、戦略立案が必要
2.競合が強く、市場でポジションを築くのが難しい場合は、
 ・ターゲットを変える
 ・プロダクトを変える
3.ローカライズとはただ翻訳するだけはない
  ・正しい英語かどうかだけでなく、ネイティブにとって
   魅力的に伝わっているかどうか?
  ・ユーザーが知りたい情報を網羅出来ているか?
  ・顧客視点で自社の価値を伝えられているか?
   
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました! 

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