第六章 心の鎧

傷つくのって恐いよね。だからわたしは他人には本音よりも建前で接してたんだ。さらに痛いところを突かれるのが恐いから、自分を奮起させる言葉でポジティブ思考バンザイで乗り越えようとしてきたんだ。
「今日からわたしは太陽だ!」
「ネガティブな自分さようなら!」
「わたしならやれる!大丈夫だ!」
そんな言葉や言い訳をして自分の心をガチガチの鎧で固めたのだ。
これで誰もわたしを傷つけられない、痛いところを突いてきたら反論してやる!
なんて考えたりもしたな。

これが本当の間違いだった。
人生の最大の過ちだと言っても過言ではない。
勘違いして欲しく無いのは、決してポジティブな言葉が悪いと言っているのでは無い。弱く脆い自分を守ろうとして、自分の心を置き去りにして、心の周りに鎧という壁を作りまくったことが問題だったのだ。

鎧というのは、重ねれば重ねるほど肉体に刃物は通らなくなっていく。
同様に、心の鎧も重ねれば重ねるほど自分自身の心が見えなくなっていく。

そうしたら、どうなるのか?自分のことが見えないんだから他人を見るしかなくなるのだ。自分のことは守り、他人を攻撃する。鎧が削れれば削られるほど恐くなってもっと攻撃する。
まるで戦争だ。

その繰り返しの結果、自分の心の鎧は削りに削られ、脆い心が剥き出しになった。
恐怖だった。
何をしても楽しくなく、食べ物の味もよくわからない、仕事などできるわけもなく無断欠勤、、引き篭もり。
鎧をつけようにも、ポジティブな言葉が全く入ってこない、感じることができない。むしろしんどい。
本当ならそこで終わっていたのかもしれない。
だけどわたしの場合は運が良かった。友に恵まれ、大事な人の存在に救われた。
自分を見つめ直すところまで回復してきたところで、ひたすらに自問自答を繰り返しまくった。

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