月の下へ出ておいで 〜 get out and get under the moon 〜

1928年にリリースされた "get out and get under the moon"、日本では「月光値千金」という漢文調のタイトルで良く知られています。アメリカでの発表年にはもう日本語詞が付いていたというし、ちょっと調べただけで4つや5つの異なる日本語詞の音源が見つかるから、当初から、日本でもいかにこの曲が愛されていたか、そして日本の歌謡曲が、いかにアメリカのポピュラーソングの影響を受けているか、うかがい知ることができます。アメリカ生まれの「月光値千金」が、違和感なく、日本の昭和歌謡曲として愛聴されてきたのですから。

スウィングする陽気なサウンドに乗って歌われる、明るく前向きでありつつも、人の悲しみに共感してそっと寄り添うような、ごくシンプルでやさしい原詞が、(この曲を日本語で歌いたい)と思う日本人のイマジネーションをさまざまにかき立てるのでしょう。

私はこの曲を聴くと、あの有名なジャズ•スタンダード•ナンバー "on the sunny side of the street" を思い出します。月と、太陽と。「閉じこもってないで、出ておいで。そして空を見上げれば、きっといい事がある」そんなメッセージは普遍的で、真理ではないか、私はそう思います。

月の下へ出ておいで ~ get out and get under the moon ~ 【超•ゆき訳】

ひとりぼっちの
そんな夜の
なんだか調子っぱずれのときは
帽子を手にして
戸締りをして
月の下へ出ておいで

輝く銀色の光を浴びたら
すぐに調子が戻ってくるはず
帽子を手にして
戸締りをして
月の下へ出ておいで

ほら見てごらん! 夜空の星たちを
ほら見てごらん! そのやさしい愛の輝きを
ね、6月の宵みたいに素敵でしょ?
ほんとなんだから!

それだけでいいんだから
そんな夜の
なんだか調子っぱずれのときは
帽子を手にして
戸締りをして
月の下へ出ておいで

「夜は何して過ごしてる? 何をしたらいいのか、分からないときって」
「本を読むかな。ゲームをしたり。いつもそんな感じ」

「君ならどう答えてくれる? どうすれば、悲しくならずにすむのかな」
「私のアドバイス、おすすめよ。しかも、とっても簡単なこと」

それだけでいいんだから
そんな夜の
なんだか調子っぱずれのときは
帽子を手にして
戸締りをして
月の下へ出ておいで

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ほんとに様々な日本語詞があって。私の記憶にあるのは "お月さまいくつ、十三、七つ…" ですが、かなり原詞から離れた歌詞のものもありますね。此処では、お嬢•ひばりちゃん、喜劇王•エノケン、そして "上海バンスキング" な吉田日出子バージョンを貼っておきます。どうぞ。


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