ミッドサマー3

ミッドサマー感想 幸福のホルガ村

こんにちは、ゆーきです。
見てきましたよ。
話題沸騰中の狂気のカルト映画「ミッドサマー」を。

ミッドサマー2

解説や考察なんかは得意な人が既に書いているだろうし、僕はそういうのが不得手なので僕の視点で感想を書いていきます。

ネタバレありだぞ!いいかネタバレありだぞ!嫌な人はブラウザバックだ!

超ザックリあらすじ
色々あって友達の地元の祭りに参加したらエラい目にあったわ。
以上。
以上ではあるが、以上で片付けられないのがミッドサマーだ。

結論から言ってしまうと、この映画は見る人の知識や宗教観でその内容をガラッと変える。
知識で見ると、ただ映画を追うより分かることが非常に多いのは間違いないし、宗教的な要素も強いのでなにか宗教を信仰している経験があると見える景色が違ったものになる。

知識面から行くと僕はもう太刀打ちができない。
ミッドサマーを知識で理解しようとすると、膨大な言語学、薬学(ドラッグ)、歴史、民俗学、土着信仰から宗教的背景まで網羅する必要があると思う。

まずミッドサマーではあらゆる場面、至るところでルーン文字が登場する。
こういうやつだ↓

ルーン文字

これが机の形や服の装飾、壁画に至るまでビッシリと描写されていた。
僕はルーン文字の意味を知らないが、それぞれの意味を読み解くとゾッとするのではないかと思う。
余りにも多すぎるので自分で調べる気は起きない...
詳しく書いてるサイトとかあれば教えてくれ。

その他には死体に施された処置に「血のワシ」と呼ばれるものがあった。
世界の拷問とかで調べたことのあるタイプの人間(ぜひ友達になろう)は耳にしたことがあると思うが、背中を切り開いて肺を引きずり出すと言う考えたやつの頭がどうかしてる処刑方だ。

血のワシ

ミッドサマーに出てくる死体はこの他にも独特の処置が施されているものが多く、僕に分かるのはこの血のワシだけだった。
これ以外のものにも必ず意味があるはずだ。

知識については、ガチのマジでお手上げなので宗教面の話にシフトする。
この件について語りすぎると、僕が頭のおかしい狂人と思われるので、前置きさせてもらうが、僕の宗教に対する基本的なスタンスは「肯定はするし、有用な考え方は取り入れるが、そのすべてに準ずるつもりはない。」だ。
決してホルガ村に脳を焼かれたわけではない事を理解してほしい。
では始めよう。

前提として、僕は人生を幸福に生きるためには宗教は信じた方がいいと思っている。少なくとも宗教の考え方は身につけておいた方が人生を豊かにできると考えている。
僕は実家が仏教徒なので、根柢の考えが仏教由来なのだが、他の宗教に興味を持ってモルモン教の教会に通っていた時期があったり、妻の実家がプロテスタントなのでキリスト教の話を聞いたりしている。
そんな僕が今まで触れてきた宗教で共通していると感じるのは、他者信頼と共同体感覚だ。

簡単に説明すると、
他者信頼とは無条件に人を信頼することで、
共同体感覚とは自分には居場所があり、人はみんな仲間だと感じることだ。
この二つはアドラー心理学にある幸福の条件の一部だ。

アドラー

そういう意味では、ホルガ村というコミューンは非常に幸福だと思う。
ホルガ村では人の命の全てが循環しており、各村人がそれぞれの役割を持ち、その役割を終えた後にも循環する(死者の名前が新しく生まれる赤ん坊へ受け継がれる)ことすら決まっている。
村人の役割も子供の頃の特性から割り当てられる。
なにその現実でも喜ばれるシステムは。

彼らは彼らの教義の中で生きることに大きな意味と意義を持っている。
故にホルガ村には黒幕はいないし、悪意を持って主人公たちに接する者もいない。
彼らは常にホルガ村の意思で接してくる。
つまり主人公たちは常にホルガ村の誰かとではなくホルガ村そのものと接していることになる。

このコミューンの他者信頼と共同体感覚は相当強い。
彼らは外から来た人間を自分たちの中に笑顔で受け入れ、教義に触れない範囲であれば何の批判もしない。
事実、儀式中や食事中であろうとお構いなしにタバコを吸っていても、一言も批判はなかった。
僕が見ている限り、彼らが批判をしたのは教義に触れた場合のみで、大切なことは事前に説明もしていることもあった。

あくまで多数派の宗教観や道徳観では狂っているように見えるだけで、ホルガ村の文化としては正しく当たり前の事が起きているだけだ。
考えてみればメジャーな宗教も同じ宗派で戦争とかしてるし、多数派の宗教だって割と邪悪だ。

そう考えると真に幸福なのは我々ではなく、ホルガ村なのではないだろうか。

以上がミッドサマーの感想です。
正直、この作品は情報の膨大さと、考えさせられる事が多すぎるのでまとめきれる気が全くしないです。
評価も割れる内容だと思います。
ですが僕はミッドサマーは見るべきカルト映画だと確信しています。

最後に、ここまで読んでくださった方は既にミッドサマーを鑑賞済みだと思いますので、僕と一緒にアリ・アスター監督への賛辞を送って締めましょう。
せーの

アリ・アスター

このおじさん頭おかしいよ....

ありがとうございました。

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