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佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてください

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#ネタバレ

「冬に子供が生まれる」佐藤正午      ※後半部分にネタバレ考察あります

「冬に子供が生まれる」感想 表紙にいる2人の子供が「マルセイ」と「マルユウ」です。 丸田誠一郎(まるたせいいちろう)と丸田優(まるたまさる)。 同じ小学校に通う2人は小学生のときに、転校生の佐渡理(さどおさむ)と共にUFOに遭遇し、その事件は新聞にも掲載される。 そして10年後「あのときの子供たち」という取材が行われ、そのときの山道での事故で先導のバイクと取材者の2人が亡くなってしまう。 運命が変わる。 大学入学目前の春休み、事故のあとにマルセイとマルユウには変化が

泣き散らかしたおまえがなにを言う〜「月の満ち欠け」〜映画の感想

* この文章には激しくネタバレがあります。映画を観る前の方はご注意ください 小説の映画化されたものを見るときに、自分に言い聞かせていることがあります。 自分は小説の文章を自分の頭の中で組み立てている。人も同じように頭の中で組み立ててゆく。 だから、けして自分のイメージどおりの映画化というのはありえない。 映像化というのは妄想を具現化するものだから、ちがうのは当たり前。 だから「違うというのを理由に」その映画をに違和感を抱いたりするのは、まったくオカド違いの感想なのだと。

佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてください 「月の満ち欠け」映画化記念に「登場人物相関図」を作りました。

佐藤正午ファンなので、何度も何度も読んでいる作品です。 ストリーのおもしろさもさることながら、その文体を追うだけで幸せな気持ちになれます。 正木瑠璃が公園の砂場で佇んでいたり、小山内瑠璃が「黛ジュンの夕月」を口ずさみながら校庭の鉄棒よりかかっていたり。 そのひとつひとつの文章が、まるで映画のスクリーンのよう。 だから自分なりの映画シーンを何度も頭の中に思い浮かべていました。 「シャフトのアニメだったらこんな感じになるだろうな」などとアングルまで考えてみたりしてw そんな「月の

映画「鳩の撃退法」にまだ翻弄されている

パンフレットを読みながら時系列を整理しているのだが、まだ翻弄されている。 小説は何度も読んでいる(連載も含めて)。 なのに、まだ、微妙な違いや仕掛けに翻弄されている。 読み解きたい気持ちと、いつまでも翻弄されていたい気持ちが入り混じる心地よい時間。 ああ、こんなふうに作品についていつまでも考える時間って本当に幸せですね。 それではおいおいネタバレしながら、この映画について紐解いていきたいと思います。 ネタバレ1:ピーターパンの本の行方についてそれでは、まずは「ピーターパ