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「話したいこと」を聴くために重要なのは言葉ではない、という体験

相手の「話したこと」を聴くのではなく、「話したいこと」を聴きなさい

これは、キャリアコンサルタントの養成講座で講師の先生に言われたこと。
キャリア面談、コーチング、メンタリングでも大切にしています。

これを強く体感したことがありました。

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最近、色々な企業向けにコーチを提供しているアメリカの会社からお誘いを受け、英語と日本語の両言語のコーチとして登録をして活動を始めました。

そこは、世界中のクライアントが、好きな時間に好きなコーチを選んで、コーチングを受けられる、というシステムです。
よって、コーチ側も世界中から登録。
コーチ間の繋がりもあり、何か投げかけると世界中から返信があるという、なかなか刺激的な仕事です。

私の目論見としては、海外在住日本人や、グローバル企業の日本法人の従業員の方々からの依頼があるのだろうなと思っていました。
実際、日本語が話せるコーチは私だけなので、日本人の方々からご依頼があります。それは想定内だし、大歓迎。

でも意外だったのが、現地(というか英語ユーザー)の人からも一般コーチの一人としてご依頼があることです。

日本であれば、明らかに外国人の名前の人にコーチを頼む場合、「外国人に頼みたい理由」、例えば外国人上司のことを話したいので、その視点での話が出来るコーチが良い、とか、外国人と話すチャンスが欲しい、とか、何なら英語の練習もしたい、とか。何かしらを狙っていると思います。
→ 少なくとも、私ならそう思う。

でも、実際は、現地の方から、いたってフツーのコーチングテーマでご依頼を頂くことに拍子抜けしました。
職場の人間関係、自分の評価、ワーママとして働くことについて、等々。
どの国でも悩みのポイントは共通。

あー、人種とか国って、本当に関係ないんだな
それを気にしていたのは私だけなんだな。

と、自分の中の固定観念に気づかされたのが、まず1つめの衝撃。

そのコーチングですが。

もともと、どうせ日本人からしか依頼がないだろう、と思っていたので、フツーに現地の方々からご依頼を頂いた時には相当ビビりました(笑)

でも、ある時、セッションが終わった時、
「これまで色んなセラピストやコーチからコーチングを受けていたけれど、あなたが一番良かった」
と、言われ、あまりの衝撃に、「この人はこれまでどんだけ酷いコーチばかりだったのだろう」と思ってしまいました。

ところが、その理由を彼女に聞いたところ、
「あなたは偉そうなところがないし、私にじっくり深く考えさせてくれる。必要な問いかけをして、違う考え方を引き出してくれる。それが良い」
とのこと。

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実は、これには裏があり・・・

私は確かにバイリンガルですが、そこまでペランペランではありません。
実は感覚で聞いていて、クライアントが話した内容に関するテストがあったらギリギリ及第点位の理解力と思います(^^;)。
さらに、自分から話して、詰まって流れが止まることを恐れているので、必然的に私の発話量は減ります(笑)

でもその結果、本来あるべき姿に集中できている自分に気がつきました

具体的には、
聴くに徹することができる
・何を伝えたいのか、非言語的な部分から汲み取ろうと必死になる
・相手の流れを止めないよう、相手のことを最大限尊重しようとする
・重要そうだが、意味が分からない単語は「それについてもっと教えて」「あなたにとってそれはどんな意味を持つ言葉なの?」と聞くことで私は単語の意味が分かり、本人は深く考えるキッカケとなる(!)
・細かいことを話すと余計に訳が分からなくなりそうなので、クライアントが目指したいゴールに常に紐づけて問いかけをする意識が高まる


彼女からのフィードバックを受けて、あらためて、大切なのは、本人そのものに目を向けることで、本人の状況ではないんだな、と気づかされました。


キャリア面談も、コーチングも、メンタリングも。
時間はクライアントのためのものです。
そして、私はクライアントが自分で決めて進められることを信じ、その支援と応援をするだけです。

いつも、気をつけているはずでも、「話したこと」に目が行っているところがまだまだあるなぁ・・・

言語という武器を弱めて臨んだ結果、そんな根本的なことをあらためて体感した出来事でした。

とはいえ、英語のコーチングはまだビビりますが・・・(笑)

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