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国内外で開示されているロゴのVI資料まとめ

最近さまざまな他社のロゴとVIを調査してまとめる必要があり、折角だからネットで見れるものに関してはまとめとこうと思いやってみました。

このnoteで記載しているVI資料は
①SMBC
②APPLE
③YOUTUBE
④Lyft
⑤pixta
⑥慶応義塾大学

です。また発見したら増やしていきます。

VIとはビジュアルアイデンティティといい、CI、コーポレートアイデンティティ(企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、わかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ)を元に生み出されたロゴなどのビジュアル、視覚的に表現するデザイン法則です。デザイナーによって資料がまとめられ、VIが継承されます。簡単にいうと、「ロゴ勝手にいじんな。この空間はあけろ。そしたら君らのデザインは一貫されてブランドを持つぞ。」という、デザイナーからの手紙(圧)です。

ロゴが決まれば世界観が決まり、カラーが決まりフォントが決まり法則がきまる。そしてブランドが育まれる。そのためロゴデザインはブランドの心臓と呼ばれます。組織のasisとtobeを理解し、方向性をヒアリングし、世界観の共通意識をとり、テイストをデザインに落とし込み、なおかつデザインの独自性を担保し、商標登録や調査を、と考えると大変な仕事だというのがよくわかります。

ロゴデザインのフローに関して明快でわかりやすかったのは下記のサイトです。ヒアリング、ラフ提案、確定ロゴのブラッシュアップ、VI資料作成、会社案内やコーポレートサイトなどの制作物へ反映など明瞭で、ロゴを頼むときの目安になると思います。


VI資料の記載内容としてはロゴプラスの提案資料がスタンダードで参考になります。もしVIを作ることがあったらどういう情報を入れればいいのかの参考になると思います。

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インターネット上にVIを乗せている企業とその他企業のVI情報として全てに記載されていたのは、ロゴ、アイソレーション、カラーでした。
よりブランド力を高めるために、フォントやサブエレメントの統一が提案されていた組織もありました。デザインの統一のためにPCでの表示と出版用で表示を高品質にするための記載がありました。

①SMBC

最近デザイナーの取り組みがよく記事に乗っていて、デザインに力を入れていると評判のSMBC。Webサイトに記載されている情報自体は少なかったですが、大学と異なり外部に情報を見せる必要が少なそうなので、内部ではもっと情報が共有されているのではないかと思いました。記載情報は、和文ロゴタイプ、英文ロゴタイプ、ライジングマーク、コーポレートカラー、表示システムでした。

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②APPLE
Appleは店舗の机や椅子に関しても材質や色に厳しいガイドラインがあり、店舗を持つ企業には参考になるでしょう。ガイドライン資料が56ページもあり、いかにブランドを大事にしているかが伝わります。記載情報は、歴史、ロゴ、企業情報、ロゴ利用事例、最小サイズ、タイポグラフィ、禁止事例、建築の事例、建築の禁止事例です。

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③YOUTUBE

さまざまなクリエイターがロゴを表示することがあるため、背景カラーの多様さを想定したブランド規定です。記載情報は、ロゴ、ロゴタイプ、ネガ表示、単色表示、クリアスペース、サイズ調整、禁止事項、アイコン、アイコン禁止事例、カラーでした。

ロゴVI

④Lyft

多くの企業がロゴのカラーに対して厳しい制限をかけているのに対し、Liftはポップで若者に希求するために複数のカラーを組み合わせる必要があり、複数のカラー利用を許諾しています。これは新しい事例であり、ルールを作るに関して頭を硬くしてはいけないと感じました。すっごい可愛い。記載情報は、ミッション、使用例、デザイン原則、英文ロゴタイプ、アイソレーション、カラー、第二カラー、カラフルなロゴ、フォントでした。

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⑤pixta

VIがあるのが意外だったのですが、いろんなクリエイターを囲っているので所属表記に使うのだろうとサイトから伺うことができました。プラットフォームサービスはこういうロゴの使い方ができるので良さそうです。記載情報は、ロゴ、ネガ表示、単色表示、ブランドカラー、アイソレーション、最小使用サイズ、使用禁止例でした。

ロゴVI (1)

⑥慶応義塾大学

SEOで一番すぐ出てきた大学のVIです。後述しますが、印刷でもウェブサイトでもブランドを担保出来るよう指定がされていました。記載情報はロゴ、シンボル、カラー、ロゴマーク禁止例、サポートエレメント、ロゴタイプ、推奨書体、好ましくない使用例でした。

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今回慶應義塾大学のVIを乗せていますが、想定外だったのが大学のロゴVIが本当にたくさんの学校で存在したことです。アイソレーション、カラー、フォント、サイドエレメントなどが乗っており、大学は定期的に新入生向けのパンフやシステムを構築する関係で、誰でもアクセスできるところにデザインルールを見せる必要があると判断したのかなと思いました。VIだけでなく文教学院大学と九州大学ではUIの文言があり、サービスシステムに関しても一貫性を持たせているのかな?と考えました。大学VI資料は多すぎたのでまたの機会に記事にできたらという感じです。

元々営業上がりでデザイナーをはじめた身なのですが、学生ということもあるのかネットの開放的な空気感がそうさせるのか、初対面で「無料で〇〇を作ってくれ」と打診をされることがあります。個人的には、無料で作れる物には無料分の価値になるとか、コストを抑えようとする発言は一概に悪とは断じることはできないとか色々思いますが、上記のVI資料を見ていると人々の思考の真髄、まさに意匠の素晴らしさだけでなくデザインの根本と組織の未来を垣間見ることになるので、こここそコストをかけなければいけないのではないのかな、と思います。

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