「超」時間管理法(1) どうしたら時間をコントロールできるか?
あなたは、つぎのような経験をしたことがあるだろうか?
1.企画書の締切りまでまだ十分時間があると思っていたのだが、ふと気が付いたら、いつの間にか締め切りが数日後に迫っていた。
ところが、どうしたことか、その数日間は、キャンセルできない約束で埋まっている!
しかも、その用事は、あまり重要なものではない。もっと前に気が付いていれば、企画書締め切りの後に設定できたのに。
どうしてこんなことになったのか分からないのだが、とにかく、そうなってしまった。
企画書作成に十分な時間をとることができず、窮地に陥った。
2.今日は、用件が異常に立て込んでいる。はたして全部こなせるだろうか?
何とかこなせたとしても、注意散漫になって、ミスをする危険がある。
用事が集中している日だと漠然とは思っていたのだが、今日になるまで、事態の深刻さを十分把握していなかった。
なぜこんな事態に陥ったのか?
3.重要な書類の提出期限が数日前に過ぎてしまっていた!雑事の処理に追われていて、ついうっかり忘れていたのだ。
4.重要な仕事を優先して処理すべきだとは知っている。しかし、どうしても、すぐできる仕事を先に処理しがちだ。
そうこうしているうちに、重要な仕事がどんどん先送りになってしまっていた。
5.やらなければならない仕事があると分かってはいる。しかし、はっきりした締め切りがあるわけではないので、なかなか始められない。
一日延ばしにしている間にますますやりにくくなり、考えるのも嫌になってしまった。
6.「何か重要な用件を忘れているのではないか?」と気になって、当面の仕事に集中できない。
7.共同作業の詳細なスケジュールを組んでおいたのだが、メンバーの一人が突然病気になるという想定外の事態が生じ、作業が頓挫してしまった。
8.月間予定表に入れておいた約束を週予定表に入れなかったため、同じ時間帯に2組の来客と会う約束をしてしまった。
1組の方にお待ちいただき、もう1組を早めに切り上げたのだが、どうもまずいことをしてしまった。
9.外出中に、「いまのこの時間に会社で来客と会う約束をしていたのではないか?」と心配になり、いてもたってもいられなくなった。
10.毎日毎日、仕事に追われている。時間がなくて、本当に忙しい。
でも、気が付いてあらためてふり返って見ると、この10年間、私はいったい何をしていたのだろう?
ただ忙しい忙しいと、毎日を過ごしてしまっただけのことだったのではないか?
11.10年間で達成すべき人生の目的を手帳に書いて毎日眺めているのだが、どうも日常生活と遊離しているような気がしてならない。
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もし、上に示したチェックリストで、該当する項目が一つもなければ、あなたは神様のように能力のある人か、さもなければ、食べて寝る以外のことをまったくしていない人か、どちらかだ。
どちらであるとしても、これから私が始めようとすることには、あまり係わりがない。
しかし、もし一つでも該当項目があったら、是非、耳を傾けていただきたい。
以上で述べたのは、時間の管理にかかわる失敗だ。
そして、これらは、きわめて難しい問題である。そして、きわめて重要な問題であることも、明らかだ。
このように「大変重要で、しかし大変難しいこと」をどう処理したらよいかという方法論を、学校では教えてくれなかった。考えて見ると奇妙なことだが、仕方がない。
だから、誰もが試行錯誤で時間管理を行なっている。具体的な方法は、人によって違う。
私自身も、何十年もの間、何とか時間をうまくコントロールできないものかと、さまざまな努力をし、工夫を重ねてきた。
それらの中には、うまくいったものもある。そうしたことについては、私の経験をお伝えしたいと思う。
しかし、正直に言えば、上で述べた問題すべてを解決できたわけではない。
時間のコントロールとは、何と難しい問題かと思う。
なぜうまくいかないのか?どうすれば事態を改善できるのか?
この難問を、これから、皆さんと一緒に考えていくことにしたい。